• 最終更新日: 2025.01.14
  • 公開日:2021.03.26

オークションが今熱い! ~ニューノーマル時代における合理的な価値と価格の決定プロセス~

オークションが今熱い! ~ニューノーマル時代における合理的な価値と価格の決定プロセス~
  • EC
  • お役立ち情報

オークション(競り)は、魚市場や花き市場、C2C(個人間取引)のネットオークションなど、誰もが一度は耳にしたことがある取引方法ですが、近年そのオークションが再び注目を集めています。特に、コロナ禍で行動・購買様式が大きく変化し、インターネットを活用したEC市場が急成長する中、ネットオークションが経済合理性の高い取引形態として見直されています。

2023年には国内のCtoC-ECの市場規模は2兆4817億円(前年比5.0%増)に達するなど、個人間のオンライン取引の需要が拡大※1していますが、こうした市場拡大は、個人や企業がより効率的で透明性の高い価格決定を求めていることを反映しています。

この記事では、オークションの基本的な仕組みや種類を解説するとともに、ネットオークションが今なぜ注目されているのか、その理由を探ります。また、合理的で持続可能な取引形態としてのオークションの役割についても考察します。

※1: 出典:経済産業省 令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)

オークション(競り)とは


「競売(きょうばい、けいばい、せりうり)あるいは競り(せり)、オークション (auction) とは、販売目的で何らかの場に出された物品を、最も良い購入条件を提示した買い手(入札希望者)に売却するために、各々の買い手が提示できる購入条件を競わせること」であると定義されています※2

オークションの登場人物は、売り手、買い手、そして運営者(オークショニア)の3者です。運営者が売り手や買い手を兼ねる場合もあります。また、B2C(企業対消費者)、B2B(企業間取引)、C2C(個人間取引)など、多様なオークションのマーケットプレイスが存在しています。

オークションのメリットとしては、次の点が挙げられます。

また、インターネットの普及によって、かつて参入障壁が高かったオークションにも個人が簡単に参加できるようになりました。中古自動車やブランド品、PCやスマホなどを対象としたネットオークション市場は、特に広がりを見せています。

さらに、オークションには次のような取引形態があります。

  • シングルオークション:価格提示が売り手または買い手のいずれか一方から行われる形式。
  • ダブルオークション:価格提示が売り手・買い手の双方から行われ、価格が合致すると取引が成立する形式。

シングルオークションは、私たちが日常的に目にするネットオークションなどの取引形態です。一方、ダブルオークションは証券取引やビットコインなどの暗号資産取引で採用されていることが特徴です。双方の価格決定のプロセスが歩み寄りによって行われるため、「マッチング取引」とも呼ばれています。

なお、ネットオークションはECの一形態であり、個人や企業が効率的かつ合理的な取引を行うためのツールとして注目されています。

※2: 出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「競売」

公開入札と封印入札


ここまでオークションの形態について述べてきました。皆さんに馴染みのあるシングルオークションについて、もう少し掘り下げて説明したいと思います。

シングルオークションは、公開入札と封印入札と大きく分けて2つの方式があります。公開入札は名前の通り、価格が公開されるという入札方式となります。この方式では、入札価格が公開(オープン)されることが特徴です。買い手(入札希望者)が相互の入札価格を知ることができることで、競り上げ(イングリッシュオークション)や競り下げ(ダッチオークション)といったオークションが行われています。

競り上げは、買い手が価格を釣り上げながら、最終的に最高入札価格を提示した買い手が落札する方式です。例えば、ブランド物の時計は、中古市場やリユース市場でその価値と需要に基づいて高額で取引されています。新品の商品とは異なり、需要と供給によって価格が決定されるため、競り上げ方式が特に適しています。

一方、競り下げは、売り手が設定した高い価格からスタートし、徐々に価格を下げながら、最初に応じた買い手が落札する方式です。鮮度が求められる花き(フラワー)市場などで採用されています。この方式は、商品を迅速に売り切る必要がある場合に有効です。余談ですが、競り下げ方式がダッチオークションと呼ばれるのは、オランダのチューリップ取引で初めて採用されたことに由来します。

買い手が提示した価格は他者に知られることなく、最も高い価格を提示した買い手が落札する封印入札もあります。この方式は、入札者が公平な環境で競い合える特徴があり、高額商品の取引や一部のB2B取引で広く利用されています。

競り上げ、競り下げ、封印入札のいずれも、売り手と買い手のニーズに応じて選ばれる方式です。それぞれの方式が持つ特徴や歴史を知ることで、オークションの奥深さをさらに理解できるでしょう。

今なぜオークションなのか


現在、EC News編集部が所属している弊社には、多くのオークションサイト構築に関するお問い合わせが寄せられています。

これは、コロナ禍における行動・購買様式の変化が影響していると考えられます。ネットオークションは、多様な商品のマーケットプレイスをオンラインで提供する手段として、特に注目を集めています。

「コロナ禍で再注目!なぜいま「D2C」が必要なのか」2020.06.26記事参照

 

売り手側の視点からは、売れ残った商品をより高く売りたい(競り上げ)か、早急に売り切りたい(競り下げ)というニーズが高まっています。一方で、買い手としても、予算に見合った価格で商品を手に入れることができるため、経済合理性の高い取引形態といえます。

特にエシカル消費の観点からも、オークションは注目されています。競り下げ方式は、商品を無駄にせず販売でき、在庫廃棄を防ぐことが可能です。買い手側も、必要な商品を適正価格で購入できるため、持続可能な消費に貢献します。
このように、オークションは売り手・買い手の双方のニーズを満たし、持続可能な社会の構築に寄与する可能性を秘めています。

次回はネットオークションにフォーカスし、インターネット上でのサービスインフラやマーケットプレイスの構築について考察を進めます。

  • EC Newsアイコン

    EC News編集部

    2019年にスタートしたEC特化メディア。昨今のECシステムの様々な情報を発信します!