- 最終更新日: 2021.08.31
- 公開日:2021.08.31
オークションのビジネスモデルについて!
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前回は、オークション(競り)が注目されている背景やオークションの形態について、考察いたしました。今回はオークションのサイト(マーケットプレイス)を構築するために必要となるビジネス要件について、お話ししたいと思います。
そもそもオークションに向いているサービス(商材)とは、何なのでしょうか?一般的なECサイトにおけるワンプライス(商材の価格が固定)での売り方ではなく、なぜオークションなのでしょうか?リアルタイム性を求めるオークション形態なのか?公開入札なのか、競り上がり(競り下がり)なのか、封印入札なのか?ビジネスモデルとも密接に関連している検討しなければならない要件ポイントがいくつかあります。
目次
オークションに向いている商材とは
皆さん「一物一価の法則」という言葉をご存知でしょうか?
一物一価の法則※1とは、
「特定時点における同一の財やサービスの価格はある前提条件のもとに一つしか成立しないとする経済法則
自由な市場経済において同一の市場の同一時点における同一の商品は同一の価格である」
上記内容を逆説的に言い換えると、
2次流通(リユース)のマーケットにおいて、状態などの品質が異なることから、同一の商材は存在しないという前提であれば、価格は変動するはず(需給に応じて変動する)。
1次流通のマーケットでも生鮮品(食品、花き)やブロックチェーン技術を活用したNFT(非代替性トークン)コンテンツのように同一の商品が存在しない、生産元が特定でき、権利(販売権、所有権)が担保されている前提であれば、価格は変動しても良いはず。
とも定義できると言えます。
例えばトマトが同じ個数で同じグラム数でも生産農家の違いにより価格が異なるといったことが起きてもおかしくないということです。
価値と価格が一意にきまらない商材がオークションに向いている商材と言えるでしょう。
- ・希少性(代替が不可能な、ユニークな)のある商材
・価格相場(状態や時間により価値が一定ではない)がない商材
・鮮度を求める商材
上記観点から、自社の商材がオークションに適した商材なのか?検討が必要となります。
ネットオークションとライブオークション
弊社ではネットとライブという2つの概念でオークションを区分けしています。
インターネットを活用してオークションを行うという点は同じなのですが、以下の違いがあります。
ネットオーション:入札期間が比較的長い(すぐに落札者が決まらない)
ライブオークション:入札期間が数秒から数分(その場で落札者が決まる)
尚、上記概念は、オークション方式(競り上がり、封印)とも密接に関連しています。
ネットオークションでは、ヤフオク!※2を代表としたインターネット上でのオークションとなります。出品商材には期間が設定されており、5日~7日ぐらいの期間でオークションが行われるのが一般的です。オークションの締め切り間際に入札が集中する傾向にあります。
C向けサービスに適している提供形態となります。余談ですが、C向けでは決済はクレジットカード決済が主流となります。
ライブオークションでは、中古自動車のオークションが有名です。以前はリアルな会場(現車会場)でオークションを行なっていました。現在はリアル会場のみならずインターネットによる外部リモートを介して、リアルタイムに入札が可能なサービスを提供しています。オークション開始から落札までのリードタイムが数十秒から数分と短いことから、B向けサービスに適している概念です。支払いは請求書が一般的です。
商材をネットとライブのどちらの概念でオークションを行うのか、検討が必要となります。
オークション方式の検討
前回、公開入札と封印入札という2つの方式があることをお伝えしました。2つのそれぞれの特徴を把握の上、方式を検討する必要があります。
封印入札は、入札価格が非公開のため、買い手側のオークション入札は一度限りとなります。入札期間が終了し、開札を行い落札者が決定されます。イメージしやすい例としては公共工事などの一般競争入札が挙げられます。入札した金額=落札金額となるファーストプライスというルールによる入札が一般的です。
公開入札方式は、買い手が相互の入札価格を知ることができ、競り上げ(イングリッシュオークション)や競り下げ(ダッチオークション)といった価格決定のプロセスを採用したオークション方式です。ファーストプライスのルールのみならずセカンドプライスというルールも採用されています。例えばライブオークションでは、ファーストプライス(会場でオークショニアが競り上げていくイメージ)ルールが多数採用されています。ネットオークションでは、入札期間が長いことや入札を促すことを鑑みて、セカンドプライスによるルールが採用されています。
方式検討と価格決定のルールは、ネットとライブ、C向けとB向け、などを鑑みた上で、総合的に検討する必要があります。
次回はオークションサイトのシステム構築やサイト運営についての考察を述べたいと思います。
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※1 出典:引用・参考文献:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「一物一価の法則」
※2 ヤフオク!は、ヤフー株式会社の提供するオークションサービスの名称