- 最終更新日: 2022.05.13
- 公開日:2022.05.13
マーケティングオートメーション(MA)って結局何? ビジネスシーンで優位性を持つカギ、それがマーケティングオートメーション
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マーケティングがビジネスにおいて重要であることは言うまでもありません。マーケティングリサーチ、プロモーション活動、そしてそれら活動の効果検証。DX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれる昨今、マーケティングにもメスが入り、マーケティングオートメーションがビジネスの現場で活用されています。
この記事では、マーケティングオートメーションって結局何なの?と疑問を持つ方を対象に、その言葉が持つ意味や、ビジネス上での意義について解説します。
目次
マーケティングオートメーション(MA)とは?
マーケティングオートメーションは、「マーケティングを自動化、及び効率化」を目指すことであり、それらを実現するために企業の現場に導入されるツール自体の事を指す場合もあります。
つまり「わが社にMAを導入しよう」という言葉の意味は「わが社のマーケティング活動を自動化、効率化するために、マーケティングオートメーションツールを導入しよう」となります。
ここからは「マーケティングの自動化、効率化」及び「MAツールの導入と運用」それぞれについて解説していきます。
MAツールは「マーケティング」の“何”を「オートメーション」するの?
冒頭でも話しましたがマーケティング活動は大きく三つに分類されます。
すなわち
1,マーケティングリサーチ(市場調査)
2,プロモーション活動(PR)
3,上記施策の効果検証(分析)
以上の三つです。
それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。
そもそもマーケティングとは?
マーケティングリサーチ(市場調査)
マーケティングリサーチは、色々な意味や意義があると思いますが、最もシンプルに考えると「需要の調査」になります。人々はどのようなサービス、調査を求めているか、または自社製品を求めているのはどの性別のどの年齢層、地域層なのか、そしてそれらをモニタリングすることでフィードバックすることも含めてマーケティングリサーチとなります。
プロモーション活動(PR)
どんなに顧客が求めているサービスや商品を開発できたとしても、それらがユーザーに届けられなければ意味がありません。プロモーション活動は自社のサービスや商品を求める層に、その存在を知らせる行為です。
顧客はそのサービスや商品を渇望しているかもしれません。ですから需要に対して正しく供給されるためにプロモーション活動は必須です。もし本来届くべき層以外にPRがされていた場合、途端にPRの効果は薄れます。カテゴリーエラーによって起こる摩擦は顧客と企業双方に良い結果をもたらしません。ですからこれらプロモーション活動が正しく行われているかを検証する必要があります。
上記施策の効果検証(分析)
そこで事業者は上記1及び2の施策が正しく行われているかの分析を行います。商品に付随するアンケートなどで、市場の需要の実態はどうなのか、サービスや商品が正しい層に届いているのかを検証します。
市場は常に流動的で、需要は変化し、購買層は年齢とともにスライドしていきます。
よってサービスや商品が本当に求められている理想の姿を目指すには、マーケティング施策の効果検証は常に行われるべきでしょう。
マーケティングはその企業のマーケティング戦略に基づき行われます。マーケティングドリブンからサービスや商品が開発される場合も多いです。企業がその社会的意義を果たすためにも、また、競争の激しいビジネスシーンで優位性を取るためにも、マーケティング活動には常に流動性と柔軟性が求められ、かつ継続する必要があります。
そうはいってもコストがかかるのがマーケティング
企業は常にマーケティングに苦心してきました。流動性と柔軟性を求められるマーケティングの重要度は高く、それは時間的コスト、費用的コストの双方の負担を意味します。
一方、2018年に経済産業省に提唱されたデジタルトランスフォーメーション(DX)によって企業の業務がデジタル化する流れが起こり、それらを活用する事例が増えました。
つまり、マーケティングにおけるDXの導入事例がマーケティングオートメーションなのです。
MAツールの導入はDXの定義における「データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革する」ことを目指して行われます。MAツールによって企業はマーケティングにかかる時間的コスト、費用的コストの効率化を図ります。
もちろん具体的な戦略をMAツールが生み出してくれるわけではありません。あくまでツールはツールです。またツールであるがゆえに導入や運用には相応のコストがかかります。それらを鑑みてMAツールの導入は十分に検討された上で行われるべきでしょう。
MAツールがマーケティングの実態を「可視化」する。
それではMAツールの活用方法を見ていきましょう。
MAツールでは、リードジェネレーション(獲得)、リードナーチャリング(育成)、リードクオリフィケーション(絞り込み)の3つのプロセスから成り立つデマンドジェネレーション(Demand Generation)と呼ばれる活動を通して、見込み客の創出や管理を行います。
MAツールはデマンドジェネレーションとマーケティング業務について主に以下の機能を持ちます。
- ①リードジェネレーション
- ②リードナーチャリング
- ③リードクオリフィケーション
- ④リード管理
- ⑤マーケティング業務の自動化機能
ここで「リード」という言葉が出てきました。リードは非常に大切な概念なので、以上の5項目をそれぞれ詳しく解説する前に、リードについて理解しましょう。
リードの分類
リードとは「見込み顧客・潜在顧客」のことです。MAツールのリードジェネレーション機能では、リードを創出・獲得します。リードの創出のためには何よりも顧客にマーケティング施策(広告)の効果を届ける必要があります。つまりそのサービスや商品について知らない状態の顧客をリードとはカウントしません。「潜在顧客」というと広告が届けばサービスや商品を利用してくれる層だと勘違いしてしまいそうですが、明確に違うということを理解しなければなりません。
Demand Waterfallモデルと呼ばれる分類方法ではリードは以下の4つに分けられます。
Inquiry
直訳で「問い合わせ」ですが、この段階のリードに対しては、そのリードが持つ情報を獲得することを目的とされます。
Marketing Qualification Lead(MQL)
Inquiryの段階に至ったリードに対してサービスや商品の対してさらに興味を持ってもらう段階です。ここまで育ったリードのリストは営業部に渡され、アプローチの対象になります。
Sales Qualification Lead(SQL)
この段階では、営業が具体的にリードに対して何らかの提案を行います。顧客のニーズを読み取り、営業が具体的に商談を進める段階です。
Close
営業でよく使われる、クロージングする、という言葉のように、この段階では実際の受注を獲得します。
もちろんCloseに至って終わりではありません。アフターフォローやリテンションなど、企業に対する信頼を深めてもらう重要な段階です。
インバウンドとアウトバウンド
これまでリードの獲得にはアウトバウンドと呼ばれる「出ていく営業」が主流でした。アウトバウンドの主な例としてはテレホンアポイントメントなどの企業から働きかける営業が代表的です。
それに対して近年はインバウンドと呼ばれる「来てもらう営業」が注目されており、リードの獲得する際は、インバウンド的な手法によって顧客の積極性を引き出すことを目的としている企業が増えてきました。
MAツールの機能
さてMAについて大切な概念であるリードについて理解したところで、いよいよMAツールの機能について解説していきます。
①リードジェネレーション
リードにはまだマーケティング施策が届いていない新規リードと、一度サービスや商品に興味を持ち、企業と何らかの関わりがあるリードがいます。先述の通り、関わりのない顧客はリードとは呼べません。一度こちらのマーケティング施策を通して関わりをもってリードとなったユーザーに対して、企業は情報提供をしてもらうための何らかの提案をします。
デジタルメディアやSNSなどで興味を持ってもらったり、すでに一度興味をもってもらったリードに対してリターゲティング広告をした後に、コミュニケーションアプリの公式アカウントのフォローを提案する、といった手法はわかりやすい例と言えるでしょう。
②リードナーチャリング
ナーチャリングの段階は、言わばリードを育てる段階です。興味を持ってもらったとはいえ、すぐに受注に繋がるわけではないのは、ユーザーの視点からすれば当然のことです。
ここではリードに芽生えた興味をより大きなものに育てるために、メールやリターゲティング広告など、さらに興味を持ってもらう施策を打ちます。
③リードクオリフィケーション
育ったリードの行動履歴から「スコアリング」という分析工程を経て、成約率が高いリードである「ホットリード」として絞り込むのがこの段階です。
ホットリードとしてリストアップされた対象には、そのスコアや状態に最も即した提案を行います。
④リード管理
以上の機能で必要となるリードの管理機能をMAツールは持っています。
リードの状態や遷移をデータベースに蓄積し可視化することによって、どのような施策が有効であるかや、改善点の洗い出しなどに活用することができます。
⑤マーケティング業務の自動化機能
多くの場合、マーケティングオートメーションと聞くとこの機能のことを思い浮かべてしまうと思います。マーケティング業務に関わる様々なことを自動化する機能がMAツールには実装されています。
以上の機能の他にも、今ではAPI連携機能によって様々なサービスを横断してマーケティングを実施できるようなMAツールも存在します。
まとめ
MAはマーケティング業務の自動化はもちろん、見込み客の創出から育成、そして制約率の向上などの機能を持っています。効率化、自動化は企業におけるマーケティング施策の向上サイクルを加速させます。競争が激しいからこそ、限られたリソースを有効活用することを目的にMAツールを導入することが、ビジネスシーンで優位性を持つカギだと言えるでしょう。