- 最終更新日: 2022.05.31
- 公開日:2022.05.31
【2022最新】失敗しない自社ECのコツ!メリット・デメリットから成功事例まで
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ECサイトには、大きく分けて自社ECサイトとECモールの2種類があります。自社ECとECモールにはそれぞれ特徴やメリット・デメリットがあります。今回は、自社ECサイトとECモールの違いをはじめ、自社ECで成功するためのコツについて解説します。
目次
自社ECサイトとECモールの違いについて
オンラインで商品を販売するECサイトには、自社ECサイトとECモールの2種類があります。自社ECサイトとは、自社の商品を販売する目的で構築されたECサイトです。一方、ECモールとは、さまざまな企業の商品を販売する目的で構築されたECサイトです。
自社ECサイトの場合、商品を販売する企業は独自のサイトとして運営できますが、ECモールの場合はあくまでも一出品者として販売することしかできません。それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。
自社ECサイト | ECモール | |
---|---|---|
運営者 | 自社 | プラットフォーマー (Amazonや楽天など) |
ドメイン | 独自ドメイン | モール内のサブドメイン |
初期費用 | サーバー費 ドメイン取得費 システムの初期費用 開発費 |
出品者登録料 |
月額費用 | システムの月額利用料 保守管理費 |
モールの月額利用料 販売手数料 |
ECモールのメリット
ECモールは、手軽さや信用度の面でメリットがある販売方法です。まずは手軽にECを始めてみたい方に向いています。
以下では、ECモールのメリットについて解説します。
集客力がある
大手のECモールでは、月間のアクティブユーザー数が数千万人にものぼります。多くのECモールが独自のキャンペーンやポイントプログラムを実施しており、中にはロイヤリティの高い顧客もいます。
そのため、モール内で販売している企業の中には、集客施策をほとんど実施せず、一定の売上をあげている企業も少なくありません。
信用度が高い
知名度の高いECモールは、ユーザーから信用を得やすい点も特徴です。ECの場合、クレジットカード番号を登録したり、住所を入力したりするため、信頼性に欠けるECサイトでの購入を控えるユーザーも少なくありません。
とくに中小事業者や個人で販売する際は、ECモール経由での取引の方が安心感を与えられるでしょう。
初心者でも始めやすい
ECモールは、出品者登録をするだけでEC販売を開始できます。自社ECサイトを開設するには、サーバーの準備、システムのインストール、Webデザインやコーディングなどの作業をしなければいけません。中にはスキルやノウハウが求められる業務も多くあります。
一方、ECモールであれば簡単な手続きのみで始められるため、初心者でも始めやすいでしょう。
ECモールのデメリット
ECモールは、複数のブランドの商品が画一的に販売されてしまうため、差別化やブランディングの面でデメリットがある販売方法です。そのため、独自のコンセプトや付加価値をもったブランドにはあまり向いていません。
以下では、ECモールのデメリットについて解説します。
出店にかかるコストが高い
ECモールは、出店にあたりさまざまなコストがかかります。手軽にECを開始できるうえ、運営業務の負担がない一方、販売にかかる費用は自社ECサイトに比べて高額です。自社ECサイトと異なり、複数の商品が販売されている中で、露出を増やして購入につなげるにはモール内の広告オプションなども利用するため、費用はかさみやすくなります。出店後に発生する費用も含めると、出店にかかるコストは高額といえるでしょう。
商品の価格競争に巻き込まれやすい
ECモール内には、あらゆる商品が販売されています。大手モールでは、家具や家電、衣料品から文房具まで販売されており、ジャンルは非常に豊富です。そのため、モール内では価格競争が発生しやすくなります。
また、ECモールのルールに則って販売するため、独自の会員ランクやポイント付与などを実施できず、モール内では価格以外で差別化を図るのが難しいのも一因です。
ショップのブランディングが難しい
ECモールでは、さまざまな商品が同じように販売されます。そのため、独自のブランド力を示すのが難しいプラットフォームです。とくに、マーケットプレイス型と呼ばれるECモールでは、ショップページも出品者情報をまとめたページのみです。たとえば、ユーザーがAmazonで商品を購入した場合、多くのユーザーはAmazonで購入したと認識しており、出品者情報を覚えていません。
また、ECモールではショップページもフォーマットに則って作成しなければならず、コンセプトを反映したブランディングが難しい点もデメリットです。
自社ECのメリット
自社ECは、柔軟性の面でメリットがある販売方法です。そのため、本格的にECに取り組みたい企業に向いています。
以下では、自社ECのメリットについて解説します。
利益率が高い
自社ECでは、商品の販売に際して、出品料や販売手数料が課されません。販売にかかるコストを抑えられるため、利益率を高く設定できます。
さらに、ECモールに比べて、価格競争に巻き込まれにくい点も自社ECならではの特徴です。商品の適正価格を維持できるため、利益を圧迫する要素が少ないといえるでしょう。
デザインや機能が柔軟に決められる
自社ECサイトは、デザインや機能を自由に決められます。もちろんカートASPやオープンソースをはじめ、利用するプラットフォームによる制限はありますが、ECモールに比べると格段に自由度は向上します。
また、ECサイトの構築に先だって、デザインや機能に関する希望がある場合は、要件を実現できるプラットフォームを選択することも可能です。
そのため、コンセプトを反映したサイトデザイン、ユーザビリティを重視した機能などを求めるのであれば、自社ECの構築がおすすめです。
顧客データが活用しやすい
自社ECでは、流入経路やサイト内の行動、購買情報などの顧客データをすべて管理できます。ECモールの中には分析ツールを提供しているサービスもありますが、自社サイトの分析に比べると得られる情報は大幅に制限されます。
マーケティングにおいては、収集可能なデータが多いほど、さまざまな角度からの分析ができ、戦略や施策を策定するうえで有利です。顧客データの収集や分析の面でも自由度の高さは強みとなるでしょう。
自社ECのデメリット
自社ECは、構築や運営の難易度がデメリットです。そのため、自社ECを運用できるのは一定の知見をもった人材のいる企業や、資金力のある大企業に限られるでしょう。
以下では、自社ECサイトのデメリットについて解説します。
集客が難しい
自社ECサイトは、みずから集客できなければ売上をあげることは不可能です。ECモールの場合、プラットフォーム上に既存のユーザーが数多くいるため、モール内の検索経由で流入したユーザーが購入に至るケースが多々あります。
一方、自社ECサイトは、検索エンジンで上位に入るSEO、指定の検索クエリに対して表示されるリスティング広告などを活用しないと、集客が難しいでしょう。
担当者のレベルが必要になる
自社ECサイトを運用するには、Webサイトの構築や保守、集客や販促を目的としたWebマーケティングなどの業務が避けられません。いずれもECモールの場合は、プラットフォーム側で担当するため、出品者のスキルは問われません。
しかし、自社ECサイトは、基本的にサイト運営のすべてをインハウスで担います。あらゆる分野においてノウハウや知見が求められるため、専門の部署や担当者を設ける必要があります。
成果が出るまでに時間がかかる
前述のとおり、自社ECサイトは初期の集客が難しいビジネスモデルです。そのため、ECモールに比べて、軌道に乗るまでの時間は長くなりやすいといえます。
じっくりと時間をかけて新規顧客を開拓し、ロイヤリティを高めていく必要があるため、一定の期間をかけてプロジェクトに取り組める余裕をもっておくことが大切です。
自社ECで失敗しないための3つのコツ
自社ECサイトを開設してEC事業を展開する場合、特有のデメリットを踏まえたうえで、どうすればデメリットを解消していけるかを検討することが重要です。
以下では、自社ECで失敗しないためのコツについて解説します。
1.自社ECの目的やコンセプトを明確にする
はじめに自社ECサイトを立ち上げる目的・コンセプトを明確にします。最終的な目的は売上の向上ですが、既存顧客のロイヤリティ向上、新たな顧客層の開拓などの目的もあるはずです。
また、コンセプトはECサイトにおいて非常に重要な部分です。ブランドのコンセプトに合わせてECサイトのトンマナを統一していくと、訴求にも活かせるでしょう。
2.集客導線の設計
前述のとおり、自社ECサイトにおける最大の課題は、集客の導線設計です。ECサイトの集客導線にはさまざまなパターンがあります。
たとえば、メディアコマースによってSEOに取り組んだり、SNSで獲得したフォロワーを流したりするのは代表的な例です。なお、ターゲット層によって集客導線を使い分けるのも効果的です。
3.リピート施策にも注力する
新規顧客よりもリピーターの方が顧客獲得にかかるコストは低いといわれています。そのため、新規開拓だけではなく、リピーター育成を並行して進めると、集客コストを抑えつつ、売上を安定させられます。
お得なキャンペーンやポイントプログラムをはじめ、ロイヤリティを高める施策にも積極的に取り組みましょう。
自社ECサイト成功事例3選
自社ECサイトを運営する際は、過去の成功事例から学ぶことも大切です。業界が違えど、基本的な仕組みは同様です。そのため、どんな業界においても参考にできる部分は必ずあります。
以下では、自社ECサイトの成功事例について解説します。
※こちらの事例では、GMOクラウドECで構築したECサイト以外についてもご紹介しております。予めご了承ください。
石けん百貨
https://www.live-science.co.jp/store/php/shop/
石けん百貨は、石けんを中心に化粧品類を販売するECサイトです。複数の姉妹サイトを運営しており、コンテンツマーケティングによって集客を実現しています。ECサイトは単体で運営するとSEOによって上位表示を狙いづらいため、メディアコマースと呼ばれるメディアサイトと一体型になったECサイトを活用するのがおすすめです。
土屋鞄製造所
土屋鞄製作所は、上質な革製品で知られるアパレルメーカーです。SNSを用いてブランディングに取り組んでおり、一貫したブランドコンセプトを発信しています。複数のチャネルを運用する際は、世界観やイメージを統一するのがポイントです。
ライスフォース
ライスフォースは、白米を原料にした化粧品を販売するメーカーです。FacebookとInstagramを活用してファンを育成しています。それぞれのプラットフォームをユーザー
層によって使い分けている点が特徴的です。
まとめ
自社ECサイトとECモールは、同じECであっても販売方法が大きく異なります。それぞれに独自の特徴、メリット・デメリットがあるため、自社に合った方法で販売することが大切です。
また、自社ECの構築にあたっては目的やコンセプトの明確化、集客導線の設計がポイントとなります。しっかりポイントをおさえて運用できれば、自社ECの強みを最大限発揮できるでしょう。
ECマーケティングは、ECサイトにおいて売上の向上を実現するためのマーケティング施策です。主な施策には、集客、CVR向上、リピーター育成の3つがあり、事業拡大のフェーズや時々の課題に応じて、それぞれをバランスよく組み合わせることが大切です。