• 最終更新日: 2023.08.31
  • 公開日:2023.08.31

ウェブルーミングとは?ECサイトとスマートフォンの普及が変えた購買行動

ウェブルーミングとは?ECサイトとスマートフォンの普及が変えた購買行動
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ECサイトと物流が発達した結果、ユーザーは多様なチャネルで物を購入することが可能になりました。それによって消費者の購買行動も変わってきています。そのうちの1つがウェブルーミングです。

この記事はウェブルーミングについて解説し、ECサイトの発達によって消費者の購買行動

がどのように変化したかを紐解いていきます。

ウェブルーミングの意味

そもそも「ウェブルーミング」とはどのような意味なのでしょうか?

「ウェブルーミング」は消費者の購買行動の一つです。それは以下の3つのステップを踏みます。

  • ①買いたい商品を検索する
  • ②商品の情報やレビューを調べる
  • ③実店舗に行って商品を実際に確認してから購入する

この「ウェブルーミング」という概念が発生する以前には「ショールーミング」という購買行動が知られていました。「ショールーミング」は「ウェブルーミング」とは逆で、実店舗で商品を見てからインターネットで同じ商品を注文することを言います。こういった消費者の行動傾向が、店舗を商品の「ショールーム」として活用することから「ショールーミング」と名付けられました。そこから派生した言葉として「ウェブルーミング」が生み出された…といった経緯があります。

「ショールーミング」と「ウェブルーミング」は、いずれもECサイトの普及の影響で見られるようになった購買行動です。

様々なショッピングスタイル

まとめると消費者の購買行動は以下の4つがあります。

  • ①実店舗で購入する(ネットは見ない)
  • ②ECサイトで購入する(実店舗にはいかない)
  • ③ネットで情報を調べて、実店舗で購入する「ウェブルーミング」
  • ④実店舗で商品を見てからECサイトで購入する「ショールーミング」

ここで重要なのは「ウェブルーミング」も「ショールーミング」も、どちらも実店舗にユーザーが訪れることにあります。このことは後述して詳しく解説します。

「ウェブルーミング」「ショールーミング」どっちがいい?

あなたが実際に商品をネットで購入する時、「ウェブルーミング派」でしょうか? それとも「ショールーミング派」でしょうか?

絶対にECサイトで購入を完結すると決めている人もいるでしょうし、実店舗で実際に商品をみないと購入したくない、と考えている人もいるでしょう。もしかしたら商材によって両方を使い分けている人もいるかも知れません。

例えば「ウェブルーミング」の利点はどこにあるのでしょう。

まず第一に挙げられるのは、商品を買いに行けばその日にその商品が手に入るという点です。購買はしばしば、ある種の衝動に駆られて行われます。もしかしたら、何かが壊れてすぐに必要になっている可能性もありますが、いずれの場合にしても、店舗まで買いに行ってレジを通せばその商品はあなたの物です。あとは家まで大事に持って帰って使用するだけです。

ここには商品配送の送料はかかりません(なぜなら店舗からあなたの家まで、あなた自身が配送しているのですから!)。当然ですが、「ウェブルーミング」に交通費と時間がかかることを考えれば、「ショールーミング」の利点はその反対で、待っていれば家に勝手に商品が届くと言う点だと言えるでしょう。最近では「ポチる」などという言い方もあるように、まさにクリック一つで商品を「ポチれ」ば、家で待っていればあなたの玄関まで商品が来てくれます。ECサイトによっては送料が無料になるケースもあります。

次に挙げられる「ウェブルーミング」の利点は、同じ種類の商品を同時に比較できるという点です。例えばあなたがソファーを買いたいと思っている場合、目当ての商品が置いてある家具屋に向かってその商品を見に行きます。すると店舗には目的のソファー以外にもたくさんの種類が置いてあります。「思っていたのとイメージが違うな。こっちの隣の方が部屋には似合うかもしれない」などと考える可能性が大いにあります。さらに言えば、ソファーを買いに来たのに、隣の間接照明のコーナーが気になって、ムーディでおしゃれなライトを追加で買うかもしれません。

さらに言えば、「ショールーミング」の利点は何より値段の比較が出来ることでしょう。実際の商品に触れ、気に入ったあなたは価格比較サイトで最も安く出品している店舗を探します。ブランドや型番が一緒であれば同じ商品が買えます。スマートフォンの画面には全国の出品者が一覧で出てきます。少しでも安く買いたいのであれば「ショールーミング」は非常に優秀な買い方だと言えるでしょう。また、店舗によっては他店の価格を提示して交渉すれば同等まで値下げしてくれるところもあるかも知れません。その場合、「ウェブルーミング」をするつもりだったのにそのまま実店舗で買う事も出来ます。選択肢を状況に合わせて変えることができるのも「ウェブルーミング」の利点と言えるでしょう。

実店舗ではショップの店員に対応して貰えます。わからないことを聞いたり、専門的な知識を教えてくれます。最近ではLINEの自動返信などを使用してQAに対応している企業が増えましたが、まだまだ目の前にいる店員さんのレスポンス速度と精度には敵いません。質問に回答してもらうことで、さらに聞きたくなったこともその場で解答してもらえます。利用者は店員とコミュニケーションをとることで商品購入に関する不安を払拭してもらえるのです。店舗で店員さんに対応してもらえるというのは一見すると当たり前のことですが、「ショールーミング」「ウェブルーミング」どちらの利点になりうるということがわかると思います。

ECサイト全盛の時代に売り場を持つ店舗が強みを活かす

ECサイト導入が進んだ背景の一つとして参入障壁の低さがありました。ECサイトはネットに店舗を出店するので実際に売り場を持たず、在庫の管理と発送作業さえできれば完結できます。家賃や人件費なども圧縮できるので無店舗型のビジネスはその点ではすでに店舗を持つビジネスより優位にあります。

ですがECサイトが普及するにつれて消費者が「ショールーミング」を始めました。「ショールーミング」では消費者は店舗で商品を購入しません。ですから店舗の売上が伸びるわけではありませんでしたが、ユーザーが店舗を訪れるのは店側にとって商機です。

企業によっては自社ECサイトを充実させて、「ショールーミング」しに来た消費者をそこに誘導するものも現れました。消費者がネットで買い物するというのなら、ネットにも店舗を構えればいいと考えたのです。ECサイトが現れるまではユーザーは実店舗で買う以外のショッピングスタイルはありませんでした。その時代を経た現代において、いくらECサイトが増えたからと言って実店舗がなくなったわけではありません。未知との出会いをもたらす実店舗での買い物は依然として、刺激的なショッピングスタイルなのです。そして「ウェブルーミング」が増えてきているという傾向は、実店舗を持つことが強みになるチャンスです。

自宅にいて、マウスをクリックすればドアまで商品が届くというのはたしかに便利ですし、経済産業省の調査でもECサイトの物販系売上はどんどんと伸びています。だからといって実店舗でのショッピングがECサイトと比べて劣っているわけでは決してありません。

むしろ「ウェブルーミング」と「ショールーミング」の二つの消費行動が示しているように、ユーザーは実店舗を利用することを望んでいます。

そんな時代の変化の中で企業側がとるべき行動はそういったユーザーの潜在的なニーズと、移り変わる消費行動に対応して双方がWin-WInとなる施策を打ち出し、実行することではないでしょうか。

「ウェブルーミング」「ショールーミング」に対応できる施策を実行しよう

この項目ではビジネス側の視点に立って、消費者の「ウェブルーミング」及び「ショールーミング」に対してどのような施策を取ればいいか効果的かを解説します。

①マルチチャネル販売を用意する

まず何よりもマルチチャネル――例えばAmazonや楽天、または自社ECサイトの用意を初めとして、ホームページ、SNS、広告やメールなど顧客を取り巻くあらゆるチャネルを用意しましょう

②BOPISを提供する

BOPISは「Buy Online Pick-up In Store」の略です。顧客はオンラインで買った商品をあなたの店で受け取ることを選択できるようになります。初期投資は必要になりますが、顧客が店舗に来る理由となります。

BOPISについて詳しくはこちらの記事でも解説しております。

BOPISとは? 店舗受け取りサービスが注目されている理由

③顧客の意見を収集する

商品に対してレビューしやすいようにQRコードを付属するなどの施策を実行します。例えばクーポンなどを発行することでレビューをはじめとしたUGCを促すことができます。これら施策を続けていけばCGMマーケティングに繋げることも可能です。

UGCとは?マーケティングに求められるUGCとその意義

CGMはマーケティングに変革をもたらすのか?~ユーザーが投稿する情報の集合体がメディアとなる~

④スタッフをトレーニングし専門知識を身に着けさせる

専門知識を持った店員とのやりとりは、顧客にとって特別な購買理由となりえます。パーソナライズされた接客は、顧客からの信頼などの顧客ロイヤリティの獲得に繋がります。

⑤実店舗での割引を用意する

顧客が店舗に来る理由として、店舗での割引などを用意して引き込みましょう。常にECサイトを上回る必要はありません。「店舗で購入した方がお得になる時がある」と覚えるだけであなたの店に足を運んでくれるようになるでしょう。

「ウェブルーミング」「ショールーミング」に対応することのデメリット

①在庫の管理が複雑になる

Eコマースを充実させて顧客が購入できる経路を増やすということはその分在庫管理が複雑化します。事業規模によっては大きな負荷がかかる事態となりかねないので、気を付けなければならない点だと言えます。

②対応チャネルが増える

上記の在庫と似ていますがマルチチャネルを用意するということは、それらを管理方法を習得し、実際に管理しなければなりません。シンプルな店舗販売と比べ、対応するチャネルが

増えると業務量が単純に増えます。

③価格競争に巻き込まれる

顧客は様々な理由であなたの「ショールーム」に訪れますが、価格がそのうちの大きな部分を閉めます。あなたの主力商材が他の企業にも取り扱われている場合、「ショールーミング」で起こる価格競争の影響を強く受けます。

まとめ

ECサイトとスマートフォンの普及によって消費者行動が変化し「ウェブルーミング」や「ショールーミング」が登場しました。どちらもユーザーがECサイトと実店舗販売の“いいとこどり”を望んだ結果のものであり、企業側は消費者の理想を理解したうえで対応することが、これからさらに激化が予想されるECサイト全盛の時代に対応するために必要な施策です。

ECサイトが普及するほど、実店舗の存在は、固定費や人件費の面で不利だと考えられていましたが、「ウェブルーミング」のような新しい消費行動に上手く対応すれば、実店舗をEコマース戦略における重要な戦力に出来るでしょう。

BOPISやオムニチャネルの実績も豊富なGMOクラウドEC

前述の通り、「ウェブルーミング」及び「ショールーミング」に対応するための施策としてマルチチャネル(オムニチャネル)やBOPISなどの取り組みが効果的ですが、ご利用中のECプラットフォームによっては実現が難しかったり、カスタマイズのための費用が非常に高額になる場合があります。

「GMOクラウドEC」はヘッドレスコマースというフロントとバックエンドを切り分ける事で自由な構築を可能とする設計になっているため、マルチチャネル(オムニチャネル)やBOPISといったEC以外のチャネルとの連携が必要となる構築もスムーズに対応可能です。

また、クラウド型のプラットフォームであるため、ECの機能は自動アップデートされ、セキュリティも常に最新に保たれます。その為、パッケージ型の製品にありがちな定期的なアップデート・メンテナンスにかかる費用が発生しません。

「GMOクラウドEC」について詳しく知りたい方はこちらもご参考下さい

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