- 最終更新日: 2022.12.28
- 公開日:2022.03.10
今注目のD2Cとは?ビジネスモデルの特徴からメリット、成功事例までわかりやすく解説
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ECサイトの普及により店舗型ビジネスに比べて安価にビジネスが始められる時代になり、その中で発展してきたのがD2Cです。この記事ではD2Cの特徴、及びメリットデメリットについて解説します。
目次
D2C(Direct to Consumer)とは
D2C(DtoC)は「Direct to Consumer」の略で、商品を生産しているメーカーが顧客に直接販売するビジネスモデルのことを言います。この説明では「B2C(Buisiness to Custemer)」と何が違うの? と思われるかもしれませんがこのふたつには明確な違いがあります。
B2Cは製品が顧客に届くのに中間流通チャネルを用いて商品を届けるのに対して、D2Cはそういったものを介さず、デジタルチャネルを通して消費者に直接商品が届くことを意味します。
つまり、仲介業者を通さずに、商品を製造しているメーカーが直接顧客に販売するビジネスモデルの事をD2Cと言うのです。
商品の例としてお米で大まかに例えますと、「米農家が楽天やAmazonを介して販売するのがB2C」で「米農家が自分のホームページを立ち上げてそこから注文を取って顧客に販売するのがD2C」です。この場合の「Amazonや楽天」が顧客と生産者にとっての中間流通チャネルであると言えるでしょう。
D2Cブランドとは?
D2Cを調べるとD2Cブランドという言葉もよく目にします。D2Cの特性上、直販する商品は消費者にとってわかりやすく特化したものが取り扱われることが多く、それらを一つのブランドとして運営することになります。
つまり「仲介流通チャネルを介さない特徴的な商品を取り扱う直販ブランド」のことをD2Cブランドと言います。
これらD2Cブランドの製品の多くはSNS、マーケットプレイス、EC サイトなどのデジタルチャネルを通じて商品を販売され、生産者から消費者に直接配送されます。
SPAとの違い
SPA(Speciality store retailer of Private label Apparel)とは、商品の製造から販売までを一貫しておこなうビジネスモデルです。販売方法の面ではD2Cと同じですが、SPAは一般的にアパレル業界においてのみ用いられます。ユニクロやZARAはSPAの代表例です。
また、販売の軸にも違いがあります。D2Cでは商品やブランドの世界観を重視します。たとえば、ストーリー性をもたせたブランディングによって、独自の価値を確立するようなイメージです。
一方、SPAは製造販売の効率化によって、トレンドやニーズに対応した商品をスピーディーに展開します。ブランド独自の価値を見出すのではなく、消費者が求める商品を販売することに重点を置いています。
D2Cのメリット
販売業において仲介業者を利用しないことは、収益性や自由度をはじめ、さまざまな面でメリットを生みます。D2Cモデルの活用によって消費者にもメリットを提供できるため、すでに導入している事業者、導入を検討している事業者はチェックしておくべきでしょう。
以下では、D2Cのメリットについて解説します。
収益性が高い
小売店や仲介業者を利用するとマージンが発生します。マージンは販売にかかるコストであるため、直接販売すればそれだけ利益につながります。さらに、D2Cビジネスにおいては実店舗をもたずに、EC販売するケースがほとんどです。その場合、店舗運営にかかる費用も削減できるため、より収益性を高められるでしょう。
また、販売や物流に携わる事業者の数が増えるほど、商品の価格にも反映しなければならず、価格競争においても不利です。コストを抑えた分、商品価格にも反映できれば競合商品と差別化を図るための要素にもなります。
売り方のバリエーションが多い
小売店や販売代理店をもっている場合、販売方法は実際に販売する店舗に依存します。しかし、D2Cでは販売まで自社で実施するため、独自のマーケティングやキャンペーンを提供しやすくなります。
とくに自社ECサイトを展開している場合は、さらに自由度が高まるでしょう。Amazonや楽天市場のようなECモールは、プラットフォームによってキャンペーンの内容が制限されるため、注意が必要です。
顧客ロイヤリティを向上させやすい
商品の企画から販売までを一貫して担うD2Cでは、おのずと顧客との接点も増えます。たとえば、ブランドを認知してもらう広告、配送時の同梱、顧客データにもとづくレコメンドなどです。
認知から購入までの各フローの中で、一貫したメッセージを伝えたり、顧客ごとに異なるアプローチを実施したりできます。D2Cならではの特徴を活かせれば、顧客ロイヤリティを高めて、ファンを育成できるでしょう。
拡大に対して制約を受けない
D2CブランドではECサイトで販売を行うため、実店舗と比べて立地や消費者との距離などの地域的な制約をあまり受けません。
ブランドが成長して拡大するときも、商品の魅力とブランドの認知に力を注ぐことに集中できます。
顧客のデータやフィードバックを得やすい
製造と販売を切り分けていると、顧客のデータやフィードバックを得るのは難しくなります。各商品の売れ行きをはじめ、おおまかなデータは得られますが、それだけでは細かな市場ニーズや顧客の意見はわかりません。
一方、自社ECで販売している場合、ECサイト内での動きや購入後のやりとりなどのデータも調査できるため、さまざまなフィードバックを得られます。このデータを活用し製品の改善や顧客体験の向上へと繋げていく事も、D2Cでは素早く行なっていく事が出来ます。
D2Cのデメリット
企画から販売までをすべて自社で担うのはたいへんなことでもあります。さまざまなメリットがある一方で、D2Cならではのデメリットがある点もチェックしておくべきです。
以下では、D2Cのデメリットについて解説します。
自社で集客しなければならない
直接、商品を販売するD2Cでは、集客や販促も自社で担当する必要があります。ECサイトであれば、どんなチャネルからユーザーを流入させて、どんな導線を経て購入に至るかを入念に検討しなければいけません。
とくに自社ECを立ち上げる場合、初期の集客は大きな課題となります。はじめはAmazonや楽天市場のようなECモールを併用したり、広告によって露出を増やしたりするのが効果的です。
ビジネスの成長に時間がかかる
D2Cでは、ブランディングによって独自の価値を確立しつつ、ロイヤリティを高めてファンを育成します。ビジネスの成長速度は遅く、成果が出るまでには時間を要します。
そのため、短期的な利益を求めてD2Cを展開するのは適切ではありません。時間をかけてでも確固たるブランド力を築きたい場合に向いている手法です。
初期費用が高くなりやすい
一般的な販売モデルでは他社のプラットフォームを利用したり、流通や販売を外注したりして初期投資を抑えます。一方、D2Cでは製造、管理、販売のすべてにおいて、社内で体制を整える必要があります。製造ライン、販売管理システム、ECサイトをはじめ、さまざまな初期投資が必要です。
D2Cの展開によって利益率向上やロイヤルカスタマーの獲得などを見込めるため、中長期的には利益が大きいものの、初期投資が高くなりやすい点はデメリットです。
D2Cブランドの成功事例4選
D2Cブランドが成功するには、ブランド力を高めたり、顧客単価の高いファンを育成したりする方法があります。成功を収めるためのパターンは一つではありません。さまざまなD2C事例を知ったうえで、利益をあげているブランドの共通点を見出すことが成功への近道です。
以下では、D2Cブランドの成功事例について紹介します。
※GMOクラウドEC以外の事例もご紹介しております。
【食品】BASE FOOD
https://basefood.co.jp/
BASE FOODは、日本の食品ブランドです。栄養素を豊富に含んだパンやパスタなどを販売しています。「主食のイノベーション」という独自のコンセプトを浸透させるうえでD2Cモデルを活用した事例です。直営ECサイトでの定期購入をメインとしており、ロイヤリティの高い顧客が多い点も特徴的です。
【アパレル】土屋鞄製作所
https://tsuchiya-kaban.jp/
土屋鞄製作所は、日本のファッションブランドです。上質なレザーを用いた小物を中心に取り扱っています。
もともとは外部のプラットフォームも利用してEC販売をしていましたが、よりスピーディーなPDCAを求めてD2Cの体制を整えました。土屋鞄製作所のD2Cモデルが成功した要因は、伝統ある革工芸の技術を広める手段として、ウェブマーケティングを選んだ点です。老舗企業においてもデジタルの活用は有効な販促手法といえるでしょう。
【食品】Minimal
https://mini-mal.tokyo/
Minimalは、日本のチョコレートブランドです。カカオ豆の仕入れから加工、製造までを一貫しておこなっているブランドは世界的にも珍しい部類です。
通常の販売とは別に、定員制のサブスクリプションを扱っており、新たなチョコレート販売の可能性を探求しています。販売方法の自由度が高いD2Cブランドならではの施策といえるでしょう。
【アパレル】FABRIC TOKYO
https://fabric-tokyo.com/
FABRIC TOKYOは、日本のビジネスウェアブランドです。ショールームを兼ねた店舗で採寸をしてデータを登録すれば、オンラインでオーダースーツやオーダーシャツの注文が完了します。
従来のカスタムオーダーは価格が高いだけでなく、注文ごとに手間や時間がかかっていましたが、オンラインとオフラインの融合によって手軽なオーダー販売を実現しています。
D2Cビジネスで成功するためにおすすめのサービス
D2Cビジネスには非常に多くのメリットがありますが、デメリットと課題もあります。
以下では、そのD2Cビジネスの課題を解決し、運用していく際におすすめのサービスをご紹介致します。
D2Cのメリットを最大化するGMOクラウドEC
D2Cビジネス最大のメリットは、販売やマーケティングの自由度の高さ、PDCAサイクルの回しやすさだと筆者は考えております。D2Cビジネスの多くでは販売チャネルにECサイトを活用する事が多いですが、その際におすすめなのがGMOクラウドECです。
「ヘッドレスコマース」と呼ばれる構成を採用する事により、フロントとなる販売チャネルの追加・改修の際にバックエンドの影響を受けないため、素早い施策の実現が可能となります。
D2C運営代行で初期課題を解決 ~EC運営代行 by GMO~
D2Cビジネスでは担う業務の量は多くなり、内容も複雑なものになります。立ち上げの際にはノウハウがない業務も多いのではないでしょうか。
その際に活用して頂きたいのがGMOメイクショップのEC運営代行というサービスです。EC運営代行では月額料金を支払うことでD2Cを始めとしたEC運営の全て、または一部をアウトソーシングすることが可能です。
例えば「魅力的な商品はある。けれどもマーケティング施策が分からない…」「ささげ業務や物流のノウハウがない」といった事業者はこれらの導入を検討するとよいでしょう。具体的には以下の分野をサポートしてくれます。
- 〇ECサイト制作
- 〇コーポレートブランディングサイト制作
- 〇カートシステム構築
- 〇販売戦略・企画
- 〇WEBマーケティング
- 〇受注処理・顧客対応
- 〇商品撮影・登録
- 〇物流倉庫
https://www.fulloutsourcing.jp/d2c/
まとめ
D2Cは、商品の企画から販売までをワンストップでおこなうビジネスモデルです。販売やマーケティングにおける自由度の高さを特徴としており、PDCAを回すには最適なモデルともいえます。
また、顧客との接点の多さを活かして、ユーザーの意見を反映していくのもD2Cビジネスを成功させるポイントです。ユーザーが求める商品やサービスを提供できれば、おのずと売上にもつながるでしょう。