• 最終更新日: 2021.04.28
  • 公開日:2021.04.28

AIで最適化するECサイト内検索の新潮流(2) サイト内検索はテキスト検索からAI検索へ

AIで最適化するECサイト内検索の新潮流(2) サイト内検索はテキスト検索からAI検索へ
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AIで最適化するECサイト内検索の新潮流

AIを活用していない従来の検索エンジンは、商品名・カテゴリ名・説明文などのテキストデータと、キーワードとの「文字列の一致度」で検索結果に並ぶ商品の順序を決定するのが一般的です。「商品名」にマッチすれば高得点を与え、「説明文」ならば低得点を与えるといった方法なので、マッチングスコアと呼びます。

取り扱う商品数が少ないECサイトでは、キーワードにマッチする商品数が少ないため、マッチングスコアで問題ありません。

しかし、キーワードにマッチする商品が多い場合はどうでしょうか。

キーワード「コードレス掃除機」で検索します。

 

検索結果の一例

 

この検索結果はどうでしょうか。Panasonicの掃除機が1〜5位まで表示され、次にSharkNinjaが4商品並んでいます。

一見、きれいに表示されているように見えますが、この検索結果では売上が上がりません。

商品名に着目するとPanasonicの掃除機は5商品とも同じような商品名です。型番と色だけが違います。先ほど説明した、キーワードと商品の文字列の一致度を見る「マッチングスコア」では、ほぼ同一のスコアが与えられるため、同じような商品名の商品が団子状態でかたまって表示されるのです。

文字列の一致で並べた検索結果にはトレンドや売筋といった生きた情報が無いため、無機質な検索結果になってしまっているのです。

お客様がこのECサイトで検索をすると「なにか違う」「ほしいものが出てこない」と違和感を抱きます。PC画面ならば一覧性があるのでまだ救いはありますが、スマホ画面では1ページ目上位で違和感があるとサイトへの信頼が薄れ、「ここには自分が探している商品がないのでは」と他サイトに移ってしまいます。

生きた情報をAIが解釈する次世代のサイト内検索

私たちは旧時代的なサイト内検索を「テキスト検索」と呼んでいます。文字列は文字列でしかなく、そこには売筋もトレンドも季節性もありません。生きている情報を含んでいないのです。

ECサイトの生きた情報とは何か。

それはお客様の購買行動データです。検索を開始してから購入に至るまでのお客様の行動は生きた情報の宝庫です。季節やトレンドでも変化し、取扱商品や在庫が変わるだけで一瞬で変化します。しかし、これらの情報を有効活用するには、「テキスト検索」では難しいというのが実情です。AIを活用したサイト内検索が必要とされるのは、そのためです。

しかも、AI検索は、ECサイトの購買行動データだけでなく、実店舗の購買データも学習に利用できます。リアルとECの購買行動データと商品データをAIが学習し続けることで、売れる商品を予測できるようになるのです。

キーワード「コードレス掃除機」をAI検索を使って検索します。

 

AI検索の表示例

 

テキスト検索に比べ、こちらのAI検索結果ではメーカーはばらばらのさまざまな商品が並びます。よく売れるメーカー、よく売れる型、よく売れる色、よく売れる価格帯など様々な生きた情報が反映されています。

しかもこの検索結果は、この時点でベストな検索結果であって、購買行動データがAIにフィードバックされ、次の更新でまた表示順序が変化していきます。

 

季節によって検索結果が自動的に変わる

 

夏と冬とでは同じジャンルの商品でも、お客様が購入する商品は異なります。

上図はその例です。夏に「コーヒー」で検索した結果と、冬に「コーヒー」で検索した結果は異なるべきです。

もちろん手動で調整することはできます。しかし何千、何万とあるキーワードやカテゴリすべてを手動調整できるでしょうか。AI検索ならば、季節性やトレンドが自動的に反映できるため、手動での調整が必要ありません。

お客様の「いつもの」に対応

さらに、AI検索であれば、個々のお客様の好みに応じたパーソナライズも可能です。

 

お客様に合わせて検索結果をパーソナライズ

 

すべてのお客様にほかのお客様に人気の商品を表示することが最適とは限りません。「水」というキーワードで毎回購入されているお客様には、いつも購入している商品を1位に表示します。生きた購買行動データを利用するAI検索ならば、お得意様の「いつもの」に応じることができるのです。

テキスト検索とAI検索の比較

最後にテキスト検索とAI検索の違いをまとめました。

テキスト検索 AI検索
商品データ 利用する 利用する
購買行動データ 利用しない 利用する
実店舗データ 利用しない 利用する
表示順序 テキストのマッチングスコア AIスコア
表示順序のチューニング方法 手動 自動
季節性・トレンドの自動反映 できない 自動
パーソナライズ できない 自動
検索経由売上アップ 効果が小さい 効果が大きい

AI検索を導入しているECサイトの筆頭はAmazonです。1利用者として自社ECサイトとAmazonを比べたときにどちらが使いやすい検索結果でしょうか。商品ラインナップや価格差が少ない場合、お客様はより使いやすいほうに移ってしまいます。

多くのECパッケージ・カートASPに付属の検索エンジンは、「テキスト検索」のままです。私たちが創業した10年前から進化していません。

それを横目にAmazonは進化してきました。しかし、AI検索のサービスを導入することで、Amazonに対抗できる機能を装備することが可能です。私たちユニバーサルナレッジは、Amazonに対抗したいと考えている独立系ECサイト様を応援しています。

次回はECサイトの入り口である検索窓のAI化についてご紹介いたします。

 

《 ECサイト内検索AI「ユニサーチ」》

ユニサーチは、AIで自社ECサイトの売上アップを実現するサイト内検索エンジンです。

「検索」から「購入」に至るまでの購買行動データをAIが学習し、最適な検索結果を予測表示するため、見つかる検索・買いたい検索を実現します。

導入後もAIは学習・最適化を継続。より良い検索結果に自動アップデートされるため、面倒な手動運用から解放されます。

https://universal-knowledge.jp/

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    ユニバーサルナレッジ株式会社 取締役

    前川 英之

    2004年からヤフー株式会社とバイドゥ株式会社でウェブ検索、バーティカル検索製品開発に携わる。検索ログによる検索品質評価・改善、新機能開発に従事。2011年ユニバーサルナレッジ株式会社を共同設立。

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