• 最終更新日: 2022.10.21
  • 公開日:2022.10.21

ECサイトの制作方法を難易度・費用相場で比較!また、失敗しないコツを解説

ECサイトの制作方法を難易度・費用相場で比較!また、失敗しないコツを解説
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コロナ禍の時代に、ECサイトを導入する企業が増えています。

「自社サイトを作りたいけど、どこに依頼すれば良い?」「ECサイトを制作するには、何からはじめたら良い?」「売れるECサイトをつくるには、どのように構築すれば良い?」という疑問をお持ちではないでしょうか。

今回は、ECサイトの導入を検討されている担当の方へ、ECプラットフォームの選び方を解説します。

ECサイトの構築を外部の制作会社に依頼する際、「丸投げ」して失敗するケースがよく見受けられます。ECサイトの制作会社選びに失敗しないコツをあわせて紹介します。

ECサイト制作の難易度とメリット・デメリットを比較

ECサイトを構築できるECプラットフォームは、次の5タイプがあります。

  • ● ECモール
  • ● カートASP
  • ● ECパッケージ
  • ● オープンソース
  • ● クラウドEC
  • ● フルスクラッチ

どのECプラットフォームで制作するのが最適かを考えるうえで、まずはECサイトの規模を基準に見てみましょう。

 

  ECサイト規模 難易度 メリット デメリット
ECモール 小~大規模 簡単に構築ができる。最新の機能を利用できる。 手数料などコストが高い
カートASP 小~中規模 簡単に構築ができる。最新の機能を利用できる。安い。 カスタマイズ性が低い
ECパッケージ 中規模 カスタマイズしたECサイトをサポート受けて構築できる システムが古くなるため更新が必要。
オープンソース 小~中規模 カスタマイズ性が高いサイトを低コストで構築できる 技術力が必要。システムが古くなるため更新が必要。
クラウドEC 中〜大規模 カスタマイズの制限はほぼ無し。最新のシステムへ自動更新。 コストはカスタマイズの多さに比例していく。
フルスクラッチ 大規模 カスタマイズ性は無限大。 コストが高い。システムが古くなるため更新が必要

 

新規でECサイトを制作する場合は、低予算でかつスピーディーに構築できるカートASPがオススメです。

中規模~大規模ECサイトは、カスタマイズの自由度が高いECプラットフォームがオススメですが、開発には高い技術力が求められます。多くの場合、開発は外部のECサイト制作会社へ依頼をする事となりますが、開発費用はプラットフォームによって大きく変わってきます。

ECサイト制作の料金相場・サイトオープンの目安

次に各ECプラットフォームの費用相場を見ていきましょう。

 

  費用合計 初期費用 月額費用 オープン目安
ECモール 0~数万円 無料~数万円 無料~数万円 数週間~2ヶ月
カートASP 0~数十万円 無料~数万円 無料~数万円 数週間~3ヶ月
ECパッケージ 数百万円~ 数百万円~ 数十~数百万円 3ヶ月~6ヶ月
オープンソース 数百万円~ 数十万円~ 数万~数十万円 3ヶ月~6ヶ月
クラウドEC 数百万円~ 数百万円~ 数十~数百万円 3ヶ月~1年
フルスクラッチ 数千万円~ 数千万~ 数十万円~ 6ヶ月~1年

 

上記の表は、カスタマイズの自由度が低い順に並んでいます。多くの場合、自由度が高いほど、開発費用は高くなります。

制作期間について、一般的なWEBサイトであれば数週間~2ヶ月程度ですが、ECサイトの場合は、商品登録や商品ページの制作、決済方法や配送関連などの準備が加わるため、1~3ヶ月程度が目安です。

カスタマイズの自由度が高いプラットフォームは、設計や開発のために時間をかける必要がありますので、3ヶ月~1年の期間が目安です。

EC制作の構築方法は売上(年商)を基準に考える

ECサイト制作のプラットフォームの選び方は「売上」をベースに判断することもできます。ただ極端な話、0円で出店できるECモールやASPであっても、年商10億円以上売ることは可能です。

であれば「わざわざ難易度・コストが高いECプラットフォームを選ぶ必要は無いのでは?」と思われるかもしれません。ここで大切なポイントはこの2つ。

  • ● 数年先も運用に耐えうるECプラットフォームか?
  • ● 利益率を十分に確保できるか?

よくある失敗例は、安い理由だけでカートASPを契約し構築したけど、カスタマイズ性に不満が出てきて別のECプラットフォームに乗り換えること。乗り換えは手間がかかるだけでなく、大きなコストが発生します。また突然サービスが終了して引越しを余儀なくされるリスクもあります。

ECモールの場合、月額出店料は0円~5万円程度と低いですが、売上に比例して手数料も増えるため、売れるほど利益率が減ってしまいます。すでに年商が数千万円以上のECサイトは、自社サイトを構築したほうが、高い利益率を確保できます。

年商1億円以上なら「ECパッケージ」や「クラウドEC」を検討する

売上で比較したオススメのプラットフォームは次のとおりです。

費用相場比較MAP

上記は自社サイトを制作する目安です。もちろん月商5億円以上であっても、物理的に安価な「カートASP」で運用も可能です。しかし安価なカートASPほど機能制限が多いため、売上を伸ばす狙いで施策を実施する際に物足りなさを感じるでしょう。

目標の売上を達成するために、どんなキャンペーンや集客施策を行うか?数年先を見据えて耐えうるECプラットフォームを選びましょう。

売上規模に合わせたサーバー管理が必須

カートASP以外の構築手法は、基本的にサーバーを用意しなくてはなりません。一方でカートASPはサーバーの運用保守といった業務も発生せず、WEB制作に関する知識・経験がなくても運営が可能です。ただし、カートASPのサーバーはいくつかのショップで共用のものを使用するケースが多い為、他のショップのアクセス集中などにより繋がりにくい、などといったトラブルの発生も予想されます。

自社でサーバーを運用保守する場合、レンタルサーバーを利用すれば月額1,000円程度で用意できますが、アクセスが集中すると制限されてしまいます。安定した稼働を実現するために専用サーバーが必要ですが、クラウド型であれば月数万円~数十万円ほど要します。また、セキュリティ対策や障害に備えた冗長化を行うと、さらにランニングコストは膨らみます。

更新が必要なECプラットフォームは技術力が不可欠

サーバーの運用保守に加えて、次の2タイプは自動でシステムが更新されない為、サポートの契約が必要です。

  • ● オープンソース
  • ● ECパッケージ

サポート終了後も運用できますが、セキュリティ対策が万全でなく、個人情報の流出や、ハッキングなどの危険があります。

上記のプラットフォームを導入する場合、日々メンテナンスできる技術力はもちろん、トラブル時に対処できることも大切。また、構造をブラックボックス化させない組織づくりも欠かせません。

ECサイト制作会社の失敗しない選び方・比較のチェックポイント

御社にとってどのECプラットフォームで制作するのが望ましいかイメージできましたか?続いてECサイト制作を外部会社へ依頼する際のポイントを見ていきましょう。

  • ECサイトのコンセプトや要件を決める
  • EC制作会社を選んで問い合わせ・見積もり依頼
  • 見積もりを比較し契約
  • 設計・デザイン・開発
  • テスト
  • 納品(オープン)

EC制作会社を選定する前に、まずは次の章で説明する準備をしっかり行います。

ECサイト制作会社の選定を成功させるには事前準備が欠かせない

ECサイトの制作を開発会社に「全部おまかせします」という気持ちでいると、失敗する可能性が高まります。丸投げするとイメージどおりのECサイトは完成しませんし、余分な機能が増える恐れや足りないなどで余計にコストと手間がかかります。

  • ● ECサイトを制作する目的・目標を決める
  • ● 必要な機能をリストアップする
  • ● ECサイトの構成をまとめる
  • ● ECサイト制作の予算・納期を決める

まずは「どんなECサイトを制作したいか?」を資料にまとめましょう。参考になるECサイトをいくつか見つけるとさらにイメージしやすくなります。

その他にも「目標」「ターゲット顧客層」「運用体制」など具体的なアイデア資料があると、EC制作会社と情報共有しやすくなり、イメージのズレを解消できます。加えて見積もりや納期が正確に出せるようになります。

EC制作会社を選ぶときのチェックポイントと注意点

数あるEC制作会社の中から1社選ぶのは悩みますよね。そんな時は、次の点を評価し選びましょう。

  • ● ECサイト運用に詳しく信頼のおける会社であること
  • ● 「安さ」だけを売りにしていないこと
  • ● 納品後のサポート体制が整っていること
  • ● 会社の財務基盤がしっかりしていること

詳しく見ていきましょう。

ECサイト運用に詳しく信頼のおける会社であること

ECサイトは通常のWEBサイトとは異なり、カート決済、販売管理やクーポン発行などさまざまな機能があります。単純にかっこいいWEBサイトを作成すれば良いわけではなく、販売から管理まで「全体の業務」を理解したうえで制作しなくてはなりません。

ECサイトに求められるのは「売れるサイト」です。ECサイトの経験が乏しい制作会社は「売る」視点に立つことができず、単なるオシャレでかっこいいサイトを作りがちです。ECサイトは依頼主と制作会社が二人三脚でつくりあげる作品。信頼できるビジネスパートナー関係を構築し、相談や質問にすばやく親切に教えてくれる力量も大切です。

「安さ」だけを売りにしている制作会社は要注意

「安さ」は魅力ですが、求める機能やサイト構成を省かれていないか注意が必要です。一方で高い見積もりを提示したECサイト制作会社は、あなたのイメージするECサイトの構成をしっかり理解し、必要な工数や機能を把握したうえで余裕を持って提示しているかもしれません。

そして、ECサイトの運用を熟知している制作会社であれば、完成後の運用・管理のしやすさを考慮して設計します。見た目は同じECサイトであっても、「実際運用してみると使いづらい・・・」ということであればかえってコストがかかります。

納品後のサポート体制が整っていること

ECサイトは一度完成して終わりではありません。売上拡大のためにカスタマイズが必要になることもあります。「ECパッケージ」や「オープンソース」はバージョンの更新が不定期に入ることもあります。また、運用を初めてみると開発当初の想定外であった箇所から課題が発見される事も少なくありません。

納品後は小さな修正であれば無償で対応してくれるか?有償でサポートはどの範囲か?を確認し、サポート体制を確認しましょう。

会社の財務基盤がしっかりしていること

ECサイト制作会社の経営状態が苦しいと、制作の品質が落ちる可能性があります。また、納品後も将来的にサポートを受けられないかもしれません。帝国データバンクなどの会社情報を利用して、財務状況をしっかり調べましょう。

あわせてECプラットフォーム企業の財務と利用者の動向をチェックしましょう。経営状況が思わしくない場合や、利用者数が低迷していると、突然サポート終了になる場合もあります。経営基盤の弱いECプラットフォームほどリスクがあることを留意しておきましょう。

売れるECサイトを制作するにはユーザビリティの理解は必須

ECサイトを制作すれば即座に「売れるECサイト」が構築できるわけではありません。売れるには「集客」が必須ですが、ユーザーにとって利便性の高いECサイトを制作することで、「購入率」を高めることができます。

ユーザーによって利便性の高いサイトを「ユーザビリティが高いサイト」と呼びますが、ECサイトの制作において、ユーザビリティの理解は欠かせません。

ユーザビリティの改善

ユーザビリティを高めるには、ユーザーの行動分析や、ユーザーからの問い合わせで直接得られる要求をまとめ、具現化することが求められます。そして、施策に落とし込んで実行⇒検証⇒評価する行動力が大切。

ユーザーのことを最も理解しているのは、運営に関わる御社のスタッフです。ユーザビリティを高めるアイデアをヒアリングし資料にまとめ、ECサイト制作会社と相談しながら二人三脚で作り上げていきましょう。

売上が「すぐに上がる・必ずあがる」は要注意

  • ● 売上がすぐに上がる・必ずあがる
  • ● 集客に優れている
  • ● SEOが強い

このような宣伝文句を鵜呑みにしてはいけません。どのECプラットフォームを利用しても通常は内部SEO対策が施されていますので、よほどの設計ミスがない限り大きな差はありません。

集客するにはWEBマーケティングのノウハウが必要不可欠です。ECサイトを制作しただけでは集客に結びつかないことを理解しておきましょう。

ECサイトの集客は継続的な努力が欠かせない

大切なことなので何度も言いますが、ECサイトは制作して終わりではありません。

  • ● ユーザーの導線は想定どおりか
  • ● サイトの表示速度は遅くないか
  • ● 集客力は十分か

グーグルアナリティクスやサーチコンソールなどを用いてユーザー行動を分析し、想定どおりの導線をたどり購入しているか分析しましょう。もし離脱が多いなどのページがあれば、ボタン配置を変更するなど対策し改善します。

ECサイトは画像やプラグインが多いため、ページ速度が遅くなる傾向にあります。ページの読み込みが3秒遅れると32%が直帰すると言われていますので、定期的に次に紹介するサイトで速度をチェックしましょう。

(Google)PageSpeed Insights

https://pagespeed.web.dev/

集客力に関しては、ネット広告やSNS、SEOなどの知識と投資が必要です。特に新規EC制作する場合は、集客に力をいれましょう。

GMOメイクショップの提供するECプラットフォーム

GMOメイクショップでは「makeshop by GMO」と「GMOクラウドEC」の2種類のECプラットフォームを提供しております。以下ではその2つのプラットフォームについて、簡単に特徴をまとめてみました。

 

  種別 規模 メリット 初期費用
makeshop by GMO カートASP 小~中規模 簡単に構築ができる。機能が豊富。カスタマイズも可能。 一万〜数十万円
GMOクラウドEC クラウドEC 中〜大規模 フルカスタマイズにも対応。ヘッドレス構成で素早い更新。 千〜六千万円

国内流通額No1 カート「makeshop by GMO」

makeshop by GMOは2004年よりサービスを開始し、2013年より10年連続で国内のショッピングカートにおける流通総額1位をキープしているプラットフォームです。その最大の特徴は、機能と自由度の高さ。手軽に開設可能なASPでありながら、基本機能の豊富さは他のサービスと比べても見劣りしません。デザイン性についてもテンプレートが百数十種類用意されており、こだわりデザインというノーコードで好きにデザインカスタマイズが出来る機能もあり、専門知識のない方でもすぐに自分好みのネットショップを開設できます。

また、国産のサービスである為、国内の商慣習への対応が基本機能だけでもほぼ網羅されているというメリットもあります。ポイント機能やギフトラッピング・のしなどといった、他のサービスではカスタマイズやオプション料金が必要となるような機能が、基本機能として用意されており、設定も手軽にできます。

また、サポート体制も電話・メール・掲示板・チャットボットサポートを用意している為、運用中のトラブルも安心です。

makeshopエンタープライズ 

makeshopエンタープライズ はmakeshopへ機能追加・カスタマイズを行う為にご用意しているプランです。基幹システムとの連携や専用サーバーの構築、マーケットプレイスやオムニチャネルといった通常のショッピングカートでは対応しきれないショップ様にも対応する事が出来ます。一方で基本機能の部分はmakeshopを利用している為、コストパフォーマンスについても非常に優れております。

中・大規模向けEC構築プラットフォーム「GMOクラウドEC」

GMOクラウドECは、最新アーキテクチャ「ヘッドレスコマース」を採用する事により、クラウドECのシステムを最新に保つ更新性と、フルオーダーメイドにも対応できるカスタマイズ性を両立したプラットフォームです。その最大の特徴であるヘッドレスコマースのメリットは、フロントとバックエンドの機能を分離し、それぞれの機能を独立させる事にあります。これにより、プラットフォームによる制限を受けず、フロント部分は自由にカスタマイズ・機能追加していく事が可能となり、UI・UXの改善施策もスピーディーに行う事が出来ます。

また、複数のフロント(サイト・ドメイン)を1つのバックエンドで管理するモール型ECサイトの構築もスムーズに可能です。大型ショップの場合、商材・ブランドに応じてターゲットとなる層が変わる為、それぞれに対応したフロントデザインやショップの世界観を用意したいものです。その際、別々のシステム・バックエンドで管理してしまうと、施策の実行や顧客の管理などで課題が出てきます。しかし、GMOクラウドECでは実現したい構成、業務フローに合わせて構築が可能であり、理想のECサイトを作り上げる事が出来ます。

まとめ

「オシャレでかっこいいECサイト」が必ずしも売れるECサイトではありません。売れるには商品力はもちろん、ECサイトの利便性や安心感信頼も大切です。

ECサイトを利用するユーザーの気持ちを一番理解しているのは、日々お客様と接している御社のスタッフですので、ECサイトの制作を外部会社に依頼するときこそ、積極的に意見を出していきましょう。

具体的に仕様をまとめられると、無駄な制作費用を抑えることができ、手元資金にも余裕を持たせることができます。