- 最終更新日: 2024.04.30
- 公開日:2022.10.07
ECシステムとは?システムの種類や基本機能、よくある質問までわかりやすく解説
- EC
- お役立ち情報
- クラウドEC
- 構築
- 用語・知識
目次
ECサイトとは
ECサイトとは、オンラインで商品を販売するWebサイトです。いまや多くのユーザーがECを利用しており、EC市場の規模は年々拡大を続けています。経済産業省の調査によると、2020年度のBtoC-EC市場は19.3兆円、BtoB-EC市場は334.9兆円となっており、すでに巨大なマーケットとなっていることがわかります。
(参考:https://www.meti.go.jp/press/2021/07/20210730010/20210730010.html)
EC業界のトレンド
EC業界は、ビジネス全体の中では比較的新しい市場であるため、トレンドが激しく移り変わっています。2022年現在のトレンドとしては、オムニチャネル、DtoCブランドの台頭、AIテクノロジーの参入などがあげられます。
オムニチャネル
オムニチャネルとは、複数のチャネルを連携してシームレスな顧客体験を実現する施策です。従来、実店舗とECサイトで受けられるサービスに違いがあるのは仕方のないことでした。しかし、チャネルの多様化にともなって、各チャネルを個別に運用するのが非効率になり、顧客体験の悪化にもつながることからオムニチャネルの考え方が生まれました。
オムニチャネルでは、実店舗やECサイトだけでなく、SNSやアプリ上のデータなども連携してサービスを提供します。各チャネルの連携によって、チャネルをまたいでも顧客データや購買データ、決済情報などを共有できるため、一貫した顧客体験を実現できます。
- オムニチャネルについては以下の記事で詳しく解説しております。
- 【2022最新】オムニチャネルとは?注目される理由やポイント、導入事例を解説
DtoCブランドの台頭
従来、EC市場においてはBtoB、BtoC、CtoCの3つのビジネスモデルがありました。そこにBtoCの新モデルとして登場したのがDtoCです。
DtoCとは、Direct to Consumerの略称で、自社製品を卸売業者や小売業者を介さず、直接顧客に販売するビジネスモデルです。DtoCブランドは、コストやマージンを抑えられる分、質の高い商品を低価格で販売できます。DtoCブランドの多くは実店舗を設けず、ECサイトを中心に販売しているため、EC市場にも大きく影響を与える存在です。
- DtoCについては以下の記事で詳しく解説しております。
- 今注目のD2Cとは?ビジネスモデルの特徴からメリット、成功事例までわかりやすく解説
AIテクノロジーの参入
近年では、ECサイトの弱みである接客面を補完するためにAIテクノロジーが用いられています。
身長・体重・好みのサイズ感などを入力するとおすすめの商品サイズが表示されるサービス、ユーザーの悩みや疑問を解消するチャットボットなどが代表例です。
いずれも蓄積されたデータをもとに接客サービスを提供しており、業務負担を増やすことなく、実店舗に近い接客を実現できるソリューションとして注目されています。
ECサイトの種類
ECサイトには、自社ECサイトとモール型ECサイトの2種類があります。どちらもオンラインで商品を販売する点においては同様ですが、構築方法や運用コストなどが異なるため、目的によって使い分けることがポイントです。
自社ECサイト
自社ECサイトとは、自社のブランドや取扱商品のみを販売する独自サイトです。
独自ドメインを取得して自社のサーバー上で管理するケースが一般的です。新規Webサイトとして開発するため、サイトデザインやキャンペーンの自由度が高く、本格的なECサイトをつくりたい企業に向いています。
一方、構築や運用にかかるコストは、モール型ECサイトに比べて高くなりやすい傾向があります。
モール型ECサイト
モール型ECサイトとは、複数のブランドやショップが出品するECサイトです。
Amazonや楽天市場、ZOZOTOWNなどがモール型ECサイトにあたります。既存のWebサイト上にショップを出店したり、商品を出品したりする仕組みのため、モール内のフォーマットに沿ったデザイン・機能しか利用できません。
ただし、Webサイト自体の運営は、プラットフォーマーと呼ばれる運営企業が担っているため、業務やコストの負担は少なくなります。また、モール内には一定数のユーザーがおり、集客力に長けている点も特徴です。
ECサイトを設計・開発できるシステム
ECサイトを設計するためのシステムにもいくつかの種類があります。具体的には、手軽にECサイトを構築できるカートASP、自由度の高いオープンソース、細部までつくりこめるフルスクラッチなどです。どんなシステムを利用して設計するかは、ECビジネスの成功を左右する要素です。
以下では、それぞれのシステムの特徴について解説します。
カートASP
カートASPとは、手軽にECサイトを構築できるクラウドシステムです。デザインフォーマットをもとに、直感的な操作でアレンジするだけでECサイトを構築できるため、みずからデザインやコーディングをする必要がありません。
システム利用料も比較的リーズナブルに設定されており、中には基本料無料で利用できるシステムもあります。ただし、カートASPによってはデザインや機能の制限が多く、自由度の高いECサイトをつくりたい企業には向いていません。
オープンソース
オープンソースとは、無償で利用できるシステムです。ソースコードが公開されているため、サーバーにインストールして誰でも自由に利用できます。ソースコードの改変も認められており、デザインや機能の面でも自由度の高いシステムです。
しかし、システムの利用にあたってはコストがかかりませんが、開発には専門的な知識が求められるため、社内に人材がいない場合は開発を外注しなければなりません。また、インハウスで開発するにもオープンソースを用いたサイト制作には時間や工数がかかる点に注意すべきです。
クラウドEC
クラウドECとは、クライアントの要件をもとにクラウド上に構築されるシステムです。クラウド上のシステムを利用する点においてはカートASPと同様ですが、カートASPは既存のシステムを利用するのに対し、クラウドECは要件に応じたカスタマイズが可能です。そのため、本格的なECサイトの制作にも対応できます。
ECパッケージ
ECパッケージとは、クライアントの要件をもとにサーバー上に構築されるシステムです。デザインや機能面の自由度においてはクラウドECと似ていますが、ECパッケージはサーバー上に構築されるため、自社のサーバー環境を用意しなければいけません。
また、サーバー上のシステムは導入から時間が経つにつれて陳腐化します。数年に一度は大規模な改修が必要になることもおさえておきましょう。
フルスクラッチ
フルスクラッチとは、クライアントの要件をもとにゼロから開発されるシステムです。
クラウドECやECパッケージも独自の要件に合わせたカスタマイズができますが、すべてを自社のシステムとして最適化できるわけではありません。要件が多かったり、細かな仕様を調整したりする場合は、フルスクラッチが適しています。
ECシステムを構成する機能一覧
ECシステムを構成する機能には、商品・顧客・注文・デザインなど、さまざまなものがあります。ECシステムの導入・開発の際、どんな機能が必要かを知っておくと、要件定義やカスタマイズをスムーズに進められます。
以下では、ECシステムを構成する機能について紹介します。
商品に関する機能
- 商品管理機能
- 商品情報の登録や編集
- 在庫管理機能
- 在庫数量の管理
顧客に関する機能
- 顧客管理機能
- 顧客情報の確認や編集
- 問い合わせ管理機能
- Web・電話・メールの問い合わせ内容の確認や管理
- メール配信機能
- 注文完了時・発送完了時の自動配信、メルマガの配信
注文に関する機能
- 注文管理機能
- 注文情報の確認や保存
- 決済管理機能
- 決済情報の管理、決済ツールとの連携
- 出荷管理機能
- 出荷時に必要な情報の確認や編集
デザインに関する機能
- CMS機能
- コンテンツの追加や編集
販促に関する機能
- キャンペーン機能
- 各種キャンペーンの実施や設定
- クーポン機能
- クーポンの配信
- レコメンド機能
- レコメンドの設定や表示
分析に関する機能
- ユーザー分析
- ユーザー属性、デバイスの分析
- アクセス分析
- 流入チャネル、ページごとのアクセスなどの分析
ECシステムのよくある質問
ECシステムは一般的になじみのないシステムだからこそ、仕様や機能に疑問をもつ方も多いのではないでしょうか。
以下では、ECシステムについてよくある質問に回答します。
定期購入に対応できる?
ECシステムは、定期購入商品の販売にも対応できます。ただし、一部のシステムは対応できなかったり、オプションとして別途費用が発生したりする点に注意すべきです。
オムニチャネルに対応できる?
オムニチャネル施策を検討している場合には、ほかのチャネルと連携しやすいECシステムを導入する必要があります。社内の既存システムとの互換性を中心に、導入するECシステムを選択するとよいでしょう。
システムインテグレータ(SIer)とは?
システムインテグレーターとは、システムの企画・開発・運用を受託して行う企業です。カートシステムを構築する際、システムインテグレーターに外注するケースもあります。
ECシステムの展示会はある?
ECシステムに関する展示会は、首都圏をはじめとする大都市の大型会場で実施されています。代表例は、EC&店舗EXPOやEコマースフェアなどです。中には、商談スペースが設けられており、その場で契約まで進める展示会もあります。
まとめ
ECシステムは、ECサイトを開発・運用するうえで必須となるシステムです。ECシステムによってデザインや機能はもちろん、実現可能な要件も異なります。そのため、ECシステムを選ぶ際は、ECサイトの要件をしっかりまとめてから適したプラットフォームを選択すべきです。
- プラットフォーム毎の違いと選び方については以下の記事をどうぞ
- 【2022最新】ECプラットフォームとは?種類ごとの比較やおすすめツールも紹介
また、開発の段階からある程度、将来的な規模の拡大を見越しておくことも重要です。拡張性に乏しいシステムを選んでしまうと、規模の拡大に対応できず、システムの乗り換えが必要となってしまうケースもあるため、慎重に選択しましょう。