- 最終更新日: 2022.11.28
- 公開日:2022.11.28
EC運営代行とは?運営・運用業務の負荷軽減と売上アップで迅速にEC事業を拡大しよう
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デジタルトランスフォーメーション(DX)戦略によってEC(イーコマース)事業に着手する事業者が増えてきています。ですがECサイトの運営業務は、非常に負荷のかかるものです。また、ECサイトの導入と安定化には時間がかかります。導入を考えている企業の中には、ノウハウが溜まるまでの時間的コストが支払えないケースも想定されます。
そこで役に立つのが「EC運営代行」というサービスです。この記事では、実際のEC運営において、どのような業務が発生するのかをまとめ、「EC運営代行」がどのようなサービスを展開しているかを解説していきます。
目次
EC運営に必要な業務って何があるの?
この項目では具体的なECサイト業務の解説をします。
そもそもECサイトを運営するにあたってどのような業務が必要なのでしょうか。
運営代行をしてもらうにしても、必要な業務がわかっていた方が総合的なコストの見通しがつきやすいでしょう。業務内容を理解してから「やれそうだな」と思えるならば自社運営をすればいいですし、「そんな人的・時間的リソースはうちの企業にはないな」と感じるならば是非、EC運営代行を検討しましょう。
フロント業務とバックエンド業務
ネットショッピングの運営には売上に直結する「フロント業務」と在庫管理などの「バック業務」とがあります。
「フロント業務」は「フロントエンド」とも呼ばれ、運営サイトの企画・立案から始まり、プロモーションやSEO対策など、顧客が目にする部分の業務が中心です。事業と顧客を繋ぐ最前線なので「フロントエンド」と呼ばれます。
対して「バックエンド業務」は単に「バックエンド」とも呼ばれ、在庫管理、入庫や商品の受注管理、梱包・配送や商品到着後のアフターサービスや問い合わせの対応などのバックオフィス業務全般のことを指します。いわゆる後方支援なので「バックエンド」と呼ばれます。
この二つの業務はEC運営の両輪です。どちらがうまく回らなくても損失は生まれます。
それではこれらの業務についてもう少し詳しく見ていきましょう。
4つのフロント業務
商品の企画・立案
まずはECの方向性を決める商品の企画・立案です。どのような商品を開発できるのか、売れ筋は何か、自社製品が他社より優れている点は何かなど、様々な視点を交えながら売るべき商品を提案します。
これは「自社サイト出店」か、Amazonや楽天などのサイトに出品する「モール出店」のどちらにするかにも左右されるでしょう。いずれにしても綿密なマーケティングが下地になって商品が開発されます。
ECサイトの作成・運営
売る商品が決まったら次にECサイトの作成です。上述の「自社サイト出店」か「モール出店」かで作業が変わります。「モール出店」の場合は、そのサイトが要求してくる必要項目を埋めて、画像をアップロードするなどの作業をします。当然ですが出店先によって作業が変わります。
自社サイト運営に決まった場合、どのような手段でECサイトを作成するかを選ばなければなりません。EC構築には大きく分けて「パッケージ」と「ASP(Application Service Provider)」の二つの選択肢があります。
「パッケージ」はEC構築に関しての基本的な機能を備えており、それらを活用して自社サイトに必要な機能やデザインを加えて作成していきます。自由度も高く、拡張性が高いのがメリットですが、デメリットとして作成のコストが「ASP」と比べて高くなる点が挙げられます。また、システムのアップデート等の保守も自社で行う必要があります。
対して「ASP」はインターネットを経由してECプラットフォームの機能をレンタルします。「ASP」のメリットは、すでにあるものをレンタルするので「パッケージ」と比べて導入コストが軽く、機能のアップデート等も「ASP」側が行ってくれるのでより安全です。デメリットは、「パッケージ」と比べて自由度が低く、またサイトや商品の売れ方や事業の成長に合わせて拡張していくということが苦手です。
「パッケージ」「ASP」いずれの場合も、サービスそれぞれで得意なことも違うので、まず何よりも、「どのようなECサイトにしたいのか」という「サイトデザイン」が固まっている必要があります。
「デザイン」と聞くと、サイトの見た目や動きなどを想像しがちですが、そのサイトを利用するユーザーがサービスを心地よく使えるかも大切な一要因です。それらのユーザー体験は「UX(ユーザーエクスペリエンス)」として、サイトの優秀さを図る指標として注目されています。UXのいいサイトは検索なども有利になるので、サイトデザインを考える際は、使いやすさも重視して考えることが重要です。
※UXについてはこちらの記事をどうぞ
「サイトデザイン」が決まったら先ほどの「パッケージ」や「ASP」の中から、実現するために最適なサービスを選出し、ECサイトの作成をします。
在庫の調整、商品の発注
倉庫には登録作業をした商品が置いてあります。これらは理論的には24時間、全世界に向けて販売されています。商品に受注が来て販売されれば当然在庫が減ります。在庫が減ったのならば発注をして入荷しなければなりませんが、在庫の増加と減少は常にタイムラグが発生します。
ユーザーの需要が高まっている時に在庫がきれている場合、機会損失に繋がります。だからといって過剰な在庫を抱えていた場合、キャッシュフローがうまく回らなくなります。売れ残って倉庫を圧迫する上に、期末に残った過剰在庫は税金面でも不利です。
常に需要と供給を見極めて在庫発注できればいいですが、未来を見通せるわけでもありません。ですのでECサイトに限らず、商品の売れ方の傾向は常に分析されています。
仕入れは大量発注によって単価が下がるなどもあり得ますし、安定して販売できていれば取引の時優位に働く場合もあるでしょう。
以上のように在庫管理は売上に直結した業務なのでフロント業務に含まれます。
販売促進(プロモーション)
いくら店を構えていてもユーザーに認知されていなければ、その店はないのと同じです。大量のECサイトが出店されているインターネットにおいてもそれは同様です。ですので商品に限らずECサイトそのものの周知のためにプロモーション活動を行います。
ECサイトのマーケティングは、実店舗経営をしている企業でなければ、大抵の場合webマーケティングが中心になります。SNSの運営やリスティング広告、自社メディアでのコンテンツマーケティングなどそれらは費用対効果のバランスを加味したうえで適切に行われなければなりません。商品がいいから売れるということは稀で、口コミでの売れ行きも、仕掛けたマーケティングの上で行われるべきでしょう。それらが意図をもって行われた場合、再現性を帯びるからです。
検索で優位を取り、新規流入者を確保し続ければ、それらは加速度的に商品とECサイトの認知を上げてくれるでしょう。
5つのバックエンド業務
ECサイトが効率的に運営されている場合でも、バックエンド業務が非効率な業務をしていたら様々な機会を損失します。フロントとバックは連動して運用されてこそ、ECサイトとしての差別化を図ることができます。それではバックエンドの5つの業務について見ていきましょう。
ささげ業務と商品の登録
次に在庫の入荷を終えてから、商品の「ささげ業務」を行います。
商品の「撮影(“さ”つえい)」「採寸(“さ”いすん)」「原稿(“げ”んこう)」の頭文字をとって「ささげ業務」と言います。「撮影」は商品の物撮り、「採寸」は商品の寸法を実際に図り情報として掲載すること、そして「原稿」はその商品の説明文を書くことです。単なる作業のように捉えられがちですが、ささげ業務は商品の売上を作業する非常に大切な要素です。詳しくは以下の記事で解説しているのでご一読下さい。
次に、ささげ業務が終わった商品を実際にECサイトに登録していきます。この作業をすることで、晴れて商品がECサイトの陳列棚に並びます。
ECサイトでは同じ商品のサイズ違いや色違いなどを管理・販売する必要が出てきます。Tシャツの色違いとサイズ違いは、ユーザーからすれば同じページから選択して購入する同一の商品ですが、管理する上では細かく分けて在庫として登録することが必要になっています。(例:「Tシャツ、ブルー、Sサイズ」と「Tシャツ、ブルー、Mサイズ」は別の在庫として管理する)これら「ユーザーが購入する商品の最小単位」のことをSKU(Stock Keeping Unit)と呼び、在庫管理するうえで大切な概念です。詳しくは以下の記事を参照してください。
商品の受注
商品が受注されたら、事業者は速やかに商品の受注状態を顧客に通知しなければいけません。
そして商品のステータスが、発送待ちなのか、配送中なのか、常に監視し、注文したユーザーがいつでも確認できる状態にします。
受注をしたら商品の引き当てを行い、出荷を始めます。ここでエラーがあれば商品の発送間違いなどのトラブルにつながり、利用者のUXの低下や対応のコストなど様々なトラブルが発生するので注意して行います。
在庫の管理
倉庫に商品がSKUごとに何点あるのか、そしてデータと間違いはないのかを確認し管理します。サイトでの在庫と実在庫に差異があるとトラブルの原因になりますし、販売損失にもつながります。在庫の管理は商品の受注や発注と連動して確実に行われなければなりません。その為にも在庫数や商品の状態の管理は高い水準で達成されている必要があります。
商品の配送
配送業者に手配して梱包した商品を配送します。この業務は基本的に外注するものですが、配送状況でトラブルがあった場合、気がつきにくい箇所でもあります。商品が届けられたかの確認を行い、次のアフターケアまで繋げましょう。
アフターケア
商品が顧客に届いたら終了ではなく、その後のユーザーの疑問に答えたり、使用感を尋ねたりなどのアフターフォローが必要です。顧客の指摘によって気づかなかった改善点が見えてくる場合もあります。アフターフォローを過不足なく行うことでUXの向上を図り、リピーターを増やしていきます。
EC運営代行のメリットは?
上述した9つの事業を代行してくれるのがEC運営代行です。9つの業務を高い水準で確実に行うためのノウハウを持つEC運営代行はその導入のハードルを著しく下げてくれます。また、委託することで業務負荷軽減ができます。自社の業務に専念し、迅速にEC事業を展開できるでしょう
また全ての業務ではなく部分的に委託することも可能です。委託する業者によって得意分野も違い、海外ECサイトの委託のような専門的な分野も外注することができます。
具体的な代行業者についての紹介
「EC運営代行byGMO」では3つのポイントに注力して運営代行をしています。
・運用業務
商品管理、受注管理、出荷指示はもちろん、コールセンターとしての受電対応をはじめとする一連の流れの運用業務を、EC運用専任の担当者が対応しています。コールセンターではクレーム対応や問い合わせの対応だけでなく受注代行も行っています。
また一人の運営者が、複数社の代行を担当しており、様々な現場で得た知見をもたらします。単なる代行業者ではなく、その事業の一人のメンバーとして取り組んでいます。
・物流業務
小ロットでも事業社の業務フローに合わせて柔軟に対応。梱包費用、送料、資材費込みで国内配送料は1個口当たり480円からでコストも低めに抑えられます。
・コンサルティング業務
定期コンサルとスポットコンサルのプランが選べます。前述したように様々なECサイトの運用をしてきたノウハウを元に、サイトの認知を広げるためにはどうすればいいのか、リピート顧客を増やすためにはどうすればいいのか、実際の施策がわからない事業者に対して売上改善の支援を具体的に行います。
- EC運営代行byGMO
- https://www.fulloutsourcing.jp
まとめ
EC運営代行は高い水準で効率的に運営します。コスト的な意味でも導入速度的な意味でも、先行参入している事業との競争力を付けるためにEC運営代行を検討するのは一つの手段と言えるでしょう。