- 最終更新日: 2024.03.29
- 公開日:2022.11.25
ECサイトに導入すべき決済手段は?各種サービスの特徴や選び方を紹介
- BtoB
- BtoC
- EC
- お役立ち情報
- 運用
目次
ECサイトの決済方法一覧
ECサイトにおける決済方法には、クレジットカードをはじめ、コンビニ決済や銀行振込など、さまざまな方法があります。近年では多くのECサイトが多様な決済手段を導入しており、ユーザーは安心かつスピーディーに商品を購入できます。
一方、ECサイトを運営する事業者側はどんな決済手段があり、それぞれの決済手段がどんな特徴をもっているのかを知っておくことが重要です。
以下では、ECサイトにおける決済方法について解説します。
クレジットカード決済
クレジットカード決済では、一時的にカード会社から店舗に料金が支払われ、後日カード会社によって顧客の口座から利用金額が引き落とされます。
即時的に料金が支払われるため、未払いやキャンセルになるリスクが低い点がメリットです。また、顧客にとっても分割やボーナス払いなどを利用でき、金額の大きな商品を購入しやすい特徴があります。
一方、クレジットカード決済を導入する際にリスクとなるのはチャージバックです。
チャージバックとは、クレジットカードが不正利用された場合にECサイト側が責任を負うシステムです。商品の発送後であったとしても、原則として返金しなければならず、一度発送してしまった商品が戻ってくる保証はありません。
コンビニ決済(後払い決済)
コンビニ決済には、主に2種類の決済方法があります。一つは払込票を送付して支払ってもらう方法、もう一つはオンラインで払込票番号を発行して支払ってもらう方法です。
いずれも身近なコンビニで決済を完了できるため、利便性の高い決済方法です。また、入金確認後に発送する方法であれば、料金未回収のリスクも避けられます。
コンビニ決済を導入すると、クレジットカードをもっていない顧客でも商品を購入しやすくなります。ほかにもクレジットカードの番号を安易に入力したくない顧客のニーズにも応えられるでしょう。
キャリア決済
キャリア決済を導入すると、モバイルでの支払いが可能になります。スマートフォンで決済をするユーザーにとっては、とくに利便性が高く、簡単な操作で商品を購入できます。
コンビニ決済と同様、クレジットカードの番号を入力する必要がなく、安心感のある決済方法です。
一方、クレジットカードの1.5倍程度の手数料がかかってしまうため、ECサイトを運営する事業者にとってはメリットばかりではありません。
代金引換
代金引換は、商品の受け取り時に決済するシステムです。宅配業者に現金で支払う仕組みとなっており、実店舗で買い物をするのと同じようなイメージで商品を購入できます。商品が届く前に支払いをするのが心配な顧客にとっても安心できる決済方法です。
一方、代金引換はECサイトを運営する事業者だけでなく、顧客にも手数料が課されるため、その他の決済方法と比べて価格が高額になるデメリットもあります。
銀行決済
銀行決済は、多くのECサイトが導入している決済方法です。カード決済や後払い決済のように請求されるのではなく、ダイレクトに口座どうしでやりとりするため、シンプルな仕組みです。
さらに、顧客がネットバンキングを利用していれば、スマートフォン上で振込処理を完了させられます。一方、ECサイトを運営する事業者にとっては消込作業の手間が発生する点はデメリットです。
PayPal
PayPalは、PayPal上に登録されたクレジットカード情報を利用して決済する方法です。そのため、ECサイト側にクレジットカード情報を知らせる必要がなく、安全性の高い決済方法として知られています。
また、PayPalはグローバルに展開しているサービスです。全世界で3億人以上が利用しており、越境ECサイトにおいては積極的に導入すべき決済方法です。
とくに海外では薬局やコンビニなどでもPayPal決済が認められており、メジャーな決済手段として定着しています。
外部ID決済
外部ID決済は、Amazon Payや楽天ペイをはじめ、外部の決済情報を利用する決済方法です。新たに決済情報を登録する必要がなく、入力の手間がかからないうえ、安全性にも長けています。
また、ECサイトを運営する事業者にとっては、入力フォームの簡素化によってカゴ落ちを防止できるメリットもあります。
ECサイトにおける決済サービスの利用割合
SBペイメントサービス株式会社の調査によると、ECサイトにおける決済サービスの利用割合は以下のようになります。
- クレジットカード決済(79.1%)
- コンビニ決済(6.6%)
- キャリア決済(2.9%)
- 代金引換(2.8%)
- 後払い決済(2.0%)
- 銀行振込(1.2%)
- その他(5.4%)
もっともよく利用されているのはクレジットカード決済、次いでコンビニ決済、キャリア決済です。決済手段の多様化にともなって、ユーザーの好む決済手段を導入することが集客につながる要素の一つとなっています。
EC決済システムの接続方法
ECサイト上の決済システムは、データを通信して決済を完了するため、オンラインの接続が必須です。そのため、決済システムを導入する際には、各種システムの接続方法についても理解しておく必要があります。
ECサイトにおける決済システムの接続方法は、主に以下の4種類です。
- リンク型
- トークン型
- データ伝送型
- メールリンク型
以下では、それぞれの方法について解説します。
リンク(画面遷移)型
リンク(画面遷移)型は、決済会社のページに遷移してすべての決済処理を行う方法です。
自社サイト内に決済ページを構築する必要がなく、実際に決済をするのは決済会社のページとなるため、セキュリティの面でも安心できます。開発や構築のコストを抑えて、手軽に導入したい事業者の方におすすめです。
トークン(JavaScript)型
トークン(JavaScript)型は、Javascriptを使用して決済処理を行う方法です。非通過化型決済とも呼ばれています。
カードのナンバーをすべてトークンとして暗証化することで、セキュリティ性を高めており、情報漏えいのリスクを抑えられます。また、決済会社のページに遷移せずとも、自社サイト内で決済を完結させられる点もトークン型の特徴です。
データ伝送(API)型
データ伝送(API)型は、SSL対応のサーバーを構築して、ユーザーが入力した決済情報を決済会社に転送する方法です。
トークン型と同じく、自社サイト内で決済処理を完了させられるうえ、画面のカスタマイズも自由自在です。そのため、オリジナリティの高い決済画面を構築できます。
メールリンク型
メールリンク型は、ユーザーに決済用のURLを送信する方法です。URLをクリックすると、決済会社のページに遷移して決済処理を行います。
ECサイトを運営する事業者は、メールを送信するだけで決済できるため、手軽に導入できる決済方法です。
決済システムの選び方のポイント
決済システムを選ぶ際は、いくつかのポイントをもとに検討することが大切です。単純に利用割合の多い決済システムを選ぶだけでは、適切な選択とはいえません。
以下では、決済システムの選び方のポイントについて解説します。
自社のシステムへの対応
自社のECシステムに対応した決済システムを選ぶことは大前提です。ECシステムにはカートASPやECパッケージなどがありますが、それぞれのプラットフォームには連携可能なシステムがあらかじめ決められています。
システムに調整や改修を加えれば非対応のシステムを利用することもできますが、導入や保守に工数や時間がかかるうえ、予期せぬエラーが発生するおそれもあります。
サポート体制の充実度
システムの導入後、トラブルが発生した際にはベンダーにサポートを依頼します。
しかし、サポート体制が充実していないシステムを選んでしまうと、サポートを受けられる時間帯や内容に制限があったり、別途費用が発生したりすることもあります。
安心してシステムを利用できるよう、相談窓口を設けているシステムがおすすめです。
セキュリティの堅牢さ
セキュリティの堅牢さは、ECサイトにおいてもっとも重要な要素です。とくにECサイトは決済情報を取り扱うため、情報漏えいが発生すると事業者・顧客の双方にとって大きなリスクがあります。
初期費用と運用コスト
ECサイトを運営するには、ECモールやカートASPをはじめ、さまざまな方法があります。初期費用や運用コストは構築方法によって異なり、プラットフォームによっても差があるため、予算に応じて選択することが大切です。
中には、商品が売れた際の販売手数料のみで利用できるサービスもあり、コストを抑えたい方におすすめです。
手数料の比較
手数料は決済方法によって異なります。利用する決済サービスによっても差がありますが、決済方法ごとに比較すると以下のとおりです。
- ●クレジットカード決済:3~5%
- ●コンビニ決済(後払い決済):130~180円
- ●キャリア決済:3%
- ●代金引換:280円~
- ●AmazonPay:3.9~4.5%
越境ECを展開する場合の決済方法は?
越境ECとは、海外のユーザーに向けて商品を販売するECサイトです。越境ECにおいては、海外のユーザーがよく利用している決済手段を導入するのがおすすめです。
大手各社のクレジットカードやPayPalはもちろん、ターゲットとする国でよく利用されている決済手段をリサーチするとよいでしょう。
まとめ
ECサイトにおいては、クレジットカードがもっとも利用されています。支払いに行かずに済むため、手軽に利用でき、ポイントが貯まる点もうれしいポイントです。クレジットカード以外では、電子マネーやコンビニ決済なども需要が高い決済方法です。
また、よく利用される決済方法は、国や世代によっても異なります。そのため、メインターゲットとなる顧客層が好む決済方法を導入するとよいでしょう。