- 最終更新日: 2021.07.30
- 公開日:2021.07.30
ECの運営業務を効率化!RPA・OCRの活用事例
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皆さんはRPAやOCRをご存知でしょうか?
業務効率化やDXなどのキーワードと合わせて耳にする機会も増えてきたかと思います。
本記事ではRPAやOCRがどのような業務で使えるのか、実際のECの運営業務での導入事例を元に説明していきたいと思います。
目次
RPAとは
RPAとは「Robotic Process Automation」の略で人がコンピュータ上で行っている定形作業のプロセスをロボットが人に代わって自動化する技術です。
例えば毎日の業務で発生する決まったデータをコピー&ペーストしてエクセルにまとめるなどの業務を自動化することが可能です。
業務自動化の技術としてエクセルのマクロ(VBA)を活用している現場もあるかと思いますが、RPAとの違いは、マクロはOfficeアプリケーション内の操作に限定されるのに対して、RPAはコンピュータ上の操作すべてを自動化することができます。
またマクロの場合はプログラミングスキルが必要となりますが、RPAはテンプレートを活用すれば、プログラミングスキルがなくても現場でロボットの作成と修正が可能です。
以上のことからさまざまな現場でのRPAの導入が進んでいます。
OCRとは
OCRとは「Optical Character Recognition/Reader」の略で手書きや印刷された文字の画像データをカメラやスキャナを用いてデータを読み込み、解析することで、コンピュータ上で利用可能なデジタルの文字コードに変換する技術です。
例えばいままでは膨大な手書きの紙の申込書を手でデータ入力していたものを、OCRを活用すれば、スキャンし、データとして一括で取り込むことが可能です。
RPA、OCRの需要が増えている背景
RPA、OCRの需要が増えている背景としては、労働人口の減少があります。
厚生労働省の「雇用政策研究会報告書」では女性や高齢者の労働参加が進まなければ、2017年には6,530万人だった労働人口が、2040年には5,245万人と、1,285万人も減少することが予測されています。
これまでは人力でなんとか回っていた業務も人手不足で回らなくなり、ツールの導入を検討するケースも増えているようです。
また実際、手による入力ミスがツールの導入でなくすことができ、労働時間や人件費削減ができるといったメリットもあります。
ECでのRPA導入事例
それでは実際のECの運営でのRPAの導入事例を見ていきましょう。
複数モールの受注情報の集計での利用
課題:売上を拡大するために複数のモールサイト(Amazon、楽天など)に出店していたものの、各モールの受注情報を手作業でまとめており、集計作業に時間がかかっていた。
解決:各モールの受注情報のCSVデータを自動で取得、基幹システムへのアップロードまでを自動化。データ取得の頻度を一定の間隔で設定し、出荷のリードタイム短縮を実現。
ECの管理システムと倉庫管理システム(WMS)の情報連携での利用
課題:ECの管理システムとWMSの間での情報連携をするにあたり、CSVファイルのやり取りを手動で運用しており、連携にタイムラグが発生していた。またファイルアップロードにあたり、WMS側のフォーマットに合わせてCSVファイルの加工が必要となり、作業手間が発生していた。
解決:WMSとのファイルのやり取りをRPAで自動化。今まで一日数回だったデータ連携を自動化することによって、頻度を増やし、ほぼリアルタイムに近い連携が可能となった。
2つ目の事例のECとWMSなどの連携の際は、APIを開発し、リアルタイムに連携をすることも可能ですが、個別に開発費がかることと、もし委託している倉庫会社が替わり使用しているシステムが替わった際には再度開発費がかかるため、RPAを使うことでスモールに自動化できるといったメリットがあります。
ECでのOCR導入事例
次にECの運営でのOCRの導入事例を見ていきましょう。
BtoB ECでのFAX注文情報のデータ取り込みでの利用
課題:取引先からFAXで受けた注文情報を手入力で対応しており、繁忙期に対応が追いつかないことがあった。
解決:OCRでFAX注文の読み取りを自動化。繁忙期に向けてスタッフを増員して対応していた業務を通常の人員で対応できるようになった。作業時間と人件費の削減を実現。
カタログ通販での注文はがきのデータ取り込みでの利用
課題:通販のお客様から手書きのハガキで受け取った大量の注文情報を複数人で受注システムに手で入力しており、多大なコストと時間が発生していた。
解決:OCRを導入し、注文データをスキャンし、CSVに一括でデータ化するようにしたところ、今まで発生していた入力ミスもなくなり、作業時間の削減を実現。従来、入力作業に使っていた時間を他のコア業務に活用することができ、生産性向上、サービス品質の向上に繋がった。
OCRの技術自体はかなり昔からあるものですが、近年はAI-OCRの技術が進んでおり、文字の認識精度がかなり向上しています。いままではOCRに任せられなかった仕事も任せることができるようになり、導入が進んでいます。
まとめ
ここまでRPAとOCRのEC運営での導入事例を紹介してきましたが、これらのツールは単体の利用も可能ですが、組み合わせて使うこともできます。例えば、手書きの注文データをOCRで読み取り、基幹システムにRPAを使って自動で取り込むなどといったことも可能です。
ECの市場が拡大するにつれて、運営の業務量も年々増加しており、業務効率の見直しが必要になっている事業者も多いかもしれません。そこでRPAやOCRを活用して、機械に任せられるところは任せ、人は人にしかできない仕事に注力することが重要なのではないでしょうか。