沖縄県民に県産品をお届けする地産地消型ECモール「ちゅらマルシェ」 県民の約20%が利用する「ちゅらとく」とのアカウント連携で利用者様の高い利便性を確保
株式会社パムローカルメディア(ちゅらマルシェ)
- 業種:
- 情報メディア業、旅行業者代理業など
会員登録ができるのは沖縄県在住者。販売する商品は沖縄県内の生産品。お届け先も県内限定。株式会社パムローカルメディア様が運営する「ちゅらマルシェ」は、地域に完全密着した地産地消型のECモールです。沖縄の名産品を販売する一方で、意外な地域の食材に出会えると好評を博しています。同サイトでは「GMOクラウドEC makeshopエンタープライズ」と「メーカー直送システム(産直システム)」をご採用いただきました。沖縄県限定のECモールを立ち上げた背景などについて、株式会社パムローカルメディアでちゅらマルシェの運営を担当されている仲泊華希様に伺いました。
沖縄県民と県内の生産者を繋ぐECサイト
―― 全国販売ではなく、沖縄という地域限定のECサイトはとても珍しいと思います。まずは、「ちゅらマルシェ」に取り組んだ経緯と、地域限定の理由について教えてください。
仲泊華希様(以下、仲泊様) 株式会社パムローカルメディアは地域経済の発展に貢献することを経営理念として、沖縄県民のおでかけを応援するサイト「ちゅらとく」を2009年から運営しています。
「ちゅらマルシェ」に取り組むきっかけは、「ちゅらとく」で利用者様にアンケートを取る機会がありまして、約4割の方から「県産品が買えるサービスが欲しい」というご要望をいただいたからです。
いくつかの生産者様にご協力いただき、1か月のテストマーケティングを実施したところ、多くの方に購入していただきました。また、参加された生産者様からの後押しもあり、2021年12月ごろから検討を始めて、翌年の7月4日に、お客様も沖縄県民、生産者様も沖縄県民と、沖縄県民どうしを繋ぐ新たなサービスとして、「ちゅらマルシェ」を立ち上げました。
仲泊華希様。沖縄県出身。
「ちゅらマルシェのMDを担当しています。沖縄生まれ沖縄育ちで28年間過ごしてきました。主に県内の生産者様と一緒に商品造成~販売まで行っております。沖縄県は観光のイメージが大きいと思いますが、実は県内の食材は美味しくて新しい魅力がまだまだたくさんあります! 大好きな地元の沖縄を「県産品」という側面から盛り上げていければと思います」
―― 地域経済の発展に貢献するためとのことですが、販売に関しては全国を対象にしてもいいと思うのですが。
仲泊様 沖縄県民に限定することで特徴のあるECサイトにできるというのもありますが、ちゅらとくのアンケートの結果では、沖縄県民にあまり知られていない県産品があることがわかりました。例えば、トウモロコシやチーズが沖縄で生産されていることを知らない県民が意外と多いんです。一方で生産者様も県産品を知ってほしいと望んでいます。そのマッチングのニーズに応えたいという思いもありました。
―― 沖縄県限定としたことで、どういったところに気を使っていますか?
仲泊様 まずは沖縄県民が買いたいと思う食材をそろえること。そして、沖縄県民に刺さるキーワードを使うようにしています。例えば「海」は身近すぎてウケないんです。意外性があるほうが良かったりしました。具体的な商品だと「リンゴ香るバナナ」などは、バナナが苦手な方でも爽やかで食べやすいなど、リピーター購入をいただく人気商品となりました。
―― サイト上の表示価格が「県民限定価格」となっていて、ログインしないと食材の価格がわからないのも同様の考えからですか。
仲泊様 沖縄県民は「限定」が大好きなんです。こういった取り組みも、沖縄県に限定したサービスだからこそ実現できると思っています。
―― 「ちゅらマルシェ」を立ち上げるにあたり、生産者様はどうやって集めたのですか?
仲泊様 電話でアポを取ったり、インスタで情報を発信している生産者様にダイレクトメッセージを送ったりして交渉してきています。今では食材をご提供いただいている生産者様の数が70軒ほどになっていまして、この先1年であと150軒増やしたいと考えています。
―― 「ちゅらマルシェ」の利用者様の属性について教えてください。どのような年齢層で、どのような地域の方が多いですか?
仲泊様 年齢層は40代から50代後半の女性が1番多いです。地域については、約4割が那覇市、次いで中部、北部、離島の順番になります。
―― 那覇市の方が4割というのは意外です。都市部には食品スーパーがたくさんあると思いますし。
仲泊様 食品スーパーはたくさんありますが、意外と県産品が少なかったりします。生産地域に行かないと買えないこともあるため、「ちゅらマルシェ」をご利用いただいています。また、県外から移住されてきた方は県産品への意識が高く、そういった方のニーズにもお応えできるように商品ラインナップを揃えています。
既存のサイトと利用者のアカウントを共有
―― 「ちゅらマルシェ」ではmakeshopをご採用いただきました。複数のサービスをご検討されたと思いますが、どのようなところが決め手となりましたか。
仲泊様 いちばんやりたかったのは「県産品を県内に売る」ことでした。これを実現するには生産者様からお客様に直接届ける産地直送の機能が必要になりますが、いくつかのサービスを検討したなかで最適と判断したのがmakeshopでした。
また、「ちゅらとく」とのアカウント連携は必須の要件でした。「ちゅらとく」は既に県民の約5人に1人の割合*でご利用いただいており、利便性を考えても、そのアカウントを「ちゅらマルシェ」でも利用できるようにしたいと。makeshopではカスタマイズでアカウント連携が可能だったことも、決め手の一つとなりました。
*2023年3月時点での「ちゅらとく」利用者約32万人
「ちゅらマルシェ」と「ちゅらとく」は一つのアカウントで利用できます
―― 生産者様の評価はどうですか。
仲泊様 画面で注文一覧が確認できるところは、とても喜んでいただいています。個人で注文を受けるときは個別に対応するので、確認が煩雑になりがちですから。
ただ、配送に課題があります。生産者様の多くはECでの販売が初めてですから、例えば配送した後の伝票入力をうっかり忘れたりします。入力しないとお客様に発送連絡が届かないため、現状私たちが確認して促すことも多いのですが、今後は配送会社のシステムとの連携などを検討していきたいと思っています。
―― 商品写真や商品説明などについては、生産者様側で登録されているのですか。
仲泊様 生産者様の多くは写真も文章も苦手なため、運営側で担当しています。生産者様のお話を聞いて、商品説明を書き起こすといったことをやっています。
ただ、写真は大変ですね。写真の仕上がりがクリック率を左右するので、どうやったらおいしく見えるのかを試行錯誤しながらやっています。写真は今も模索中です。
―― サイト運営のオペレーションで気を付けているポイントはありますか。
仲泊様 生産者様が直接販売から配送までできる機能とはいえ、生産者様は現場に出られていることが多いため、必ず担当がついて販売や配送までサポートするようにしています。お客様からのお問い合わせについても、まずは「ちゅらマルシェ」で対応して、生産者の方に確認が必要な場合はご連絡するなど、「ちゅらマルシェ」のメンバーが必ず間に入って報連相を行っています。
―― 最後に今後の展望について教えてください。
仲泊様 お客様に身近なサービスとして、「ちゅらマルシェ」は成長していきたいと考えています。たくさんの沖縄県民のみなさまにご利用いただくのはもちろんですが、沖縄の生産者様にも頼られる存在になれるよう、地域と連携しながら、地域にこだわり、県産食材を盛り上げていきたいと思います。
―― おいしそうな食材を拝見して、沖縄に移住したくなりました。本日はありがとうございました。
採用された「makeshopエンタープライズ メーカー産直システム」
管理者用と出店者用の管理画面を別々に用意したマーケットプレイス型のモール構築システムです。
出店者用管理画面は出店者ごとに用意されており、商品登録や出荷処理などの操作がメーカーや生産者で実行することができます。
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