国内2社目となる現役競走馬のオークションサイトを構築。会員数は3ヶ月で4倍に成長し、直近の入札会でも最高値を更新
株式会社エクモ
- 業種:
- 現役競走馬オークション
株式会社エクモ様は国内2社目となる現役競走馬のオークションサイト、「サタデーオークション」を構築されました。毎週土曜日の入札会は大きな盛り上がりを見せ、会員数も順調に伸び続けております。
今回は「サタデーオークション」を運営する株式会社エクモ 代表取締役社長の田中敬太様に、オークションサイトを立ち上げるきっかけやその取り組みの内容、「GMOクラウドEC オークション」をお使い頂いているご感想などを伺いました。
会社の設立とオークションサイトの構想のきっかけ
ーーまず初めに、ご担当社様の紹介と会社概要を頂いてもよろしいでしょうか。
株式会社エクモ
代表取締役社長 田中 敬太様
田中敬太様(以下、田中様):株式会社エクモと申します。弊社は滋賀県で2017年の10月に創業しまして、その時から私が代表をしております。元々私は2006年から競馬に関わる形で個人事業をしておりまして、大きく事業を拡大していきたいと考えた結果法人化に至りました。
個人事業の時は主に日本の競走馬が海外のレースに遠征・出走する際のマネジメント業務や、競馬の調教師の事務や経理の代行などを行なっておりました。それから法人化を行い、業界内の仕組みやニーズの調査をしていくと競走馬のオークション事業というものに、新規参入のチャンスと高い将来性があるのではないかと思い、企画を行いました。そして昨年12月にサタデーオークションという名前で現役競走馬のオンラインオークション事業を開始致しました。
ーー新規参入のチャンスとはどのような所だったのでしょうか。
田中様:そうですね、1社先行して現役競走馬のオークション事業を8年ほど前から行われている企業様がいらして、オークションの様子も盛況でした。ただ、私が業務の中で馬主・調教師の方々と関わりお話を伺うと、その1社しかオークションが存在せず、選択肢がないという状況でした。
そこで、2社目ならばまだブルーオーシャンのため参入のチャンスがあり、取引をする場の選択肢を増やす事で業界が盛り上がり、多くの競走馬が活躍する機会が生まれる、と考えたのがきっかけです。そして何よりも色々な事に挑戦していかないと企業としても生き残れないですし、大きな成長が見込めませんので、参入を決めました。
目指すのはキャンセル0。使いやすく分かりやすいサイトに
ーーサタデーオークションのサイトについてご紹介を頂いてもよろしいでしょうか。
田中様:その名の通り、毎週土曜日に現役競走馬のオークションを開催させて頂いているサイトとなります。昼の12時から入札が開始されまして、21時から22時くらい、馬のカテゴリによって何段階か終了時間を分けておりましてそれまで入札が行われております。
入札会を土曜日にさせて頂いている理由ですが、まずオペレーションの観点でJRA(日本中央競馬会)の競走馬登録を抹消されて地方競馬へと移っていく馬が取引されるタイミングや馬の状態を確認する期間、落札された馬を運ぶ馬運車の手配などのスケジュールの中で、色々とタイムラグなく行なっていけるという点で土曜日が好ましいタイミングでした。
また、入札会に参加される方々も、馬主様など忙しい方が多い中で土曜日でしたら時間の都合がつけやすく、特定の曜日とする事で入札会が活発になるのではないかという点でも土曜日を選ばせて頂きました。
田中様:サイトで是非注目して頂きたいのが、サタデーオークションではほぼ全ての出品馬に対してウォーキング動画をご提供しております。これは他社様でも出来ていない事ですが、やはり競走馬ですので体つきや歩き方に違和感がないか等をしっかりと見てもらうため、30秒程度の動画がどなたでもご覧頂けるようになっております。
競走馬がレースに出走する上で歩き方、そして脚元の状態は非常に大切でありそれを動画で確認した上で安心して入札に参加して欲しいと、サイトの構築前の計画の際から考えておりまして、それを出品者の方々にも動画のご提供などの協力を頂きながら形にしました。
また、弊社の事業所がある関東や関西からの出品の場合は弊社の職員が出張して動画や写真の撮影をさせて頂いております。
ーー競走馬は高額ですし、当たり前ですが生きていますので日々状態も変わる中、近日で撮影された動画を確認して入札に参加できるのは助かりますね。
田中様:そうですね。落札した馬が移動した先で見た際に思っていた状態と違う、怪我や異常が隠されていたとなった場合には当然規約上そのお取引がキャンセルとなる場合もありますが、キャンセルとなってしまうと元の場所への馬の移動などの手続き業務や諸費用の負担などが発生し、出品者・落札者双方に損となってしまいます。
お互いの「売りたい」「買いたい」のニーズが一致して取引が成立するというのがオークションでありますので、弊社として目指す所はキャンセル0ですね。そのために馬の動画は欠かせませんでしたし、各種情報を見やすく・分かりやすく記載するというのは意識しておりました。
ーー他に機能面でのこだわりなどあれば教えてください。
田中様:当サイトのユーザー、参加される方が地方競馬の馬主様や、その依頼を受けている調教師様ですので、年配の方も多く、あまりECというものを使った事がないというユーザーの方も少なくなく、参加や入札の方法が分からないという方も想定していました。そのような方々にもですね、サイトを見て貰えばすぐ直感的に分かりますというサイトを目指しました。その際にはデザインで色々と要望をさせて頂きましたが、結果として「入札がしやすい」「馬の比較検討がしやすい」サイトをしっかりと作れたと考えております。
ーー入札会の参加状況や盛り上がりは如何でしょうか
田中様:会員登録の募集を開始したのが昨年12月の上旬で、参加状況のログイン人数を管理画面で把握できるのですが初回から弊社の想定以上の参加がありました。そしてメディアで取り上げて頂いたりしながらオークションの開催を重ねていくにつれ徐々に新規の登録の方が増えて現在では開始時のおおよそ4倍の会員数まで成長しておりますね。
そして売上の方も会員数と共に伸びており、4月6日に行われました最新の入札会でも落札総額の最高額を更新して1日の入札総数も766入札となりました。
後は季節的な面で言えば、これからの夏〜秋にかけての時期が現役競走馬の取引が最も活発になる時期ですので、盛り上がる時期の前に下地が出来てきたという所で相乗効果を期待しており、手応えを感じております。
出品馬の情報は一括アップロードに対応して運用をスムーズに
ーー運用してみて頂いたご感想などはございますでしょうか。
田中様:先ほどのこだわりで述べた通り、1頭毎に20〜30秒ほどのウォーキング動画を掲載しているのですが、これらの動画は弊社で撮影したり送られてきたものを編集してアップロードしております。その際に結構なデータ量となる動画を一括でアップロード出来て、非常にスピーディーなのがとても助かっていますね。また、出品情報なども一括でCSVによるアップロードが可能ですので、運用が楽で助かっております。
田中様:入札会形式のオークションはやり直しというものが効かないものですので、システムトラブルなどが発生しないか等は大変不安で、第1回・第2回の入札会は緊張しながら迎えておりました。ですが大きなトラブルはなく終える事が出来ましたし、画面遷移のスムーズさ等の不満点に関しても迅速にご対応頂き、次の週の入札会には改善されていましたので安心しております。
ーー機能など使いやすい点などはございますか。
田中様:要望通りに作って頂いた所でまず、TOPページからすぐ入札が出来る仕様であるという点、こちらはユーザーの方にも好評を頂いており、助かっております。
次にオークションの終了間際のカウントダウンや入札での自動延長の機能ですね。こちらは今最後の入札から3分に設定をして頂いているんですがそういった終了間際の馬の一覧もTOPページに並んでおりますので、入札漏れがないという点でもお客様にとっては使いやすいサイトになっているのかなと思います。
後は標準機能の範囲内ですが、やはりオークションですのでリアルタイムに価格や残り時間が更新されていく、そういったライブ感が楽しめる作りであるというのも良いですね。
ーー改善要望や機能要望などありますでしょうか
田中様:実際にオークションを開催してみて、いくつかマイナーチェンジとして改修を行ってきましたが、素早く対応して頂いてきておりますので思い描いていたサイトが出来上がってきていると思います。例えば直近で改修して頂いたのは入札の際のピッチ幅ですね。現在価格が上がっていくのに対応して、最低入札の単位も変動していくよう構築して頂いたのですが、少々上がり幅を大きく持たせすぎておりました。ピッチ幅の変動となる金額の所で入札が鈍くなっていましたのでこれを変更して頂いたりだとか、このような所は実際に開催してみないと分かりませんでしたね。
他の機能面に関しては満足しているので現時点で要望などは特にないですね。今後オークションの開催曜日を増やしたり、臨時開催も行っていきたい等考えていますが、そういった点もシステムの改修などが必要なく、設定だけですぐに始められる状態なので活用させて頂きたいと考えています。
GMOクラウドECに決めた理由は信頼性
ーー今回の構築でGMOクラウドECをご選定頂いた理由はありますか?
田中様:まずは我々が競走馬のオークションへと新規参入をするに際して、株式会社エクモがサタデーオークションを始めるといっても業界では知名度がありませんでした。その中で、参加が安全・安心である、信頼できるオークションだという事をお客様に知って頂きたかったので、構築される企業様の知名度とシステムの信頼性をまずは優先しました。GMOメイクショップさんはITベンダーの中でもECの実績が多く、GMOグループとしても有名でしたので検討のかなり初期の段階から連絡をとらせて頂いていました。
そして概要を伺って最初の打ち合わせから弊社のニーズを汲み取って頂き、深いレベルまで理解を示して頂いたので構築をお任せしても大丈夫だと信頼出来ましたし、ご提案頂いた費用も予算内で収まる形でしたのでGMOクラウドECでの構築を決めさせて頂きました。
競走馬のセカンドキャリアを支援していく為に。
ーー今後の構想や展望などはございますか?
田中様:まずここ最近、メディアでの取り上げや競走馬をモチーフにしたゲームのブームのおかげで業界全体も盛り上がり、特に若い人が増えてきたのが非常に追い風に感じております。その中で競走馬というのは引退したらどうなるのかという事に関する、社会的な関心というものも高まってきています。
そこで注目を浴びている中央競馬を引退した後の馬ですが、その多くはこれまでも地方競馬へと移籍していましたが、その取引の多くは割とクローズドで、仲介やプライベート売買といった方法がメインでした。
その為、人脈や情報が無い人は欲しい馬を手に入れるのが難しく、新規参入も非常に難しかったのですが、うちは登録をしてもらえれば後は欲しいと思った馬を落札して頂くだけで競走馬を持つ事が出来ますからね。
ーー入札の状況や価格も見えますので、これなら自分でも参加出来ると思ってもらう可能性もありますね。
田中様:そうですね。競走馬としてデビューする前の1歳馬の競り市が主に北海道で行われますが、そちらは1億円を超えるような価格がつく馬がいます。一方、うちで扱わせて頂いている馬というのは中央競馬からの引退をする馬となりますので価格としては主に50万円〜1000万円あたりになります。。そういった馬を購入して地元のレースで走らせる、馬主デビューをして頂くといったような事も出来ますので、どんどん新規参入をして頂きたいですね。
後は、出品が見える事で、応援していた馬が中央競馬を引退した後にどこにいくのか、オークションで落札されて地方競馬で第二の競馬人生・キャリアを歩むのだなという事がファンの方にも分かるようになりますよね。競走馬として生まれてきた以上、やはりその能力に合った競馬場・レースで出来る限り長い事活躍を続けてもらいたいというのが我々競馬に携わる者の願いでもありますので、その一旦を担い業界へと貢献できているのではないかなと考えております。
オンラインオークションで事業拡大を
ーーこれからオンラインオークションを始める方に向けてアドバイスがあればお願いします。
田中様:まずオンラインオークションでは地域性というものがほぼ無視出来るというものが大きいです。弊社のサタデーオークションで高額落札された馬でしたが、北海道の厩舎にいる状態で出品されて金沢競馬場の馬主様が落札されました。このように遠方からの出品であっても、距離に関係なく色々な方に参加してもらえるのはオンラインオークションの醍醐味ですし、全国の取引に携わることが出来るというのは売上という面でも非常に大きい成長になりました。
オークションで取り扱う事が出来る商材というのはアイデアの面も大きいとは思いますが、そういった商材を抱えていらっしゃる方が販路に困っているのでしたら是非一度オークションサイトの構築というものを検討してみるのもいいのではないでしょうか。
また、オークションサイトでものを買うというのはそれ自体がエンターテイメントとしてお客様に楽しんで貰える事だと思いますので、通常のECサイトによる販売だけでなく、オークションも織り交ぜる事でよりお客様に楽しんでもらうサイトを作っていけるのではないでしょうか。
導入頂いたGMOクラウドEC オークションとは
様々なオークションのお取引形態に対応したクラウド型のオークションパッケージです。
オークションサイトの構築に必要な機能は全てパッケージでご用意してあり、フロント機能の追加や業務フローに対応したバックエンドのカスタマイズなど様々なご要望にもお応えできます。
詳しい機能・価格・お問い合わせについてはこちらをご覧下さい。